投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

「夏の出来事 5」
【若奥さん 官能小説】

「夏の出来事 5」の最初へ 「夏の出来事 5」 205 「夏の出来事 5」 207 「夏の出来事 5」の最後へ

振動-4

雑居ビルの建ち並ぶ駅の北口。
銀行から出てきた男が、ちづるに気がついて呼んでいる。

「常盤さーーん?」

男はちづるの元に歩いてくる。
歩いてる時にちづるの顔をみながら
「あ、やっぱり」とニコニコしながら言う。

ちづるが小さい声で言う。

「あ、、吉川さん 」

「俺、今日早番で今終わったんだ。
買い物?」

吉川と呼ばれた男はチラリとタクミを見る。
タクミと背は同じぐらいだが、
タクミよりもガッチリとした身体つきをしている。
頭が茶髪の坊主で、肌は色黒だ。
ちづると年は近そうに見えた。
タクミはペコリと会釈をしながら思う。

  なんか チャラそーー

 ちづちゃんの職場の人 か?


ちづるが吉川に言う。

「ぁ、、うん。
この子、私のイトコで、
 買い物してたの 。」

「、 、 、、。

 イトコのタクミ です。」

 『この子』 、 、。

   ぁ なんか
 
 グサっと きた



吉川は言う。

「そっか。」

「ん、うん、。

、 、 、、じゃあ、
     また 、、 」

「っ あーー、待って。
来週の飲み会、来る?」

「 ぇ? ぁ 、、
 
ううん、まだ、、どうしようか
  迷ってて、 、  」

「ぇー? 来てよ。
まだ、キッチンの人達とは
沢山話した事とか、
    ないっしょ?」

「ん、 ぅん、、。」

「夜だから、
旦那さんに怒られちゃう?」

「ぁ、ううん、 それは、、」

「あ、でも、
あんま帰ってこないって
     聞いたけど? 」

「 ぇ? 」


そんな会話をしていると、
タクミがちづるに言う。

「あ、、ゴメン、、
   ちょっと電話だ。」

「 ぇっ?」

「ゴメンね。
  ちょっと待っててー。」

タクミはスマホを耳にあて、
「もしもーし」と話しながら
2人から離れた。

電話は、かかってきていなかった。

タクミは少し離れた所から、
電話をしているフリをして、
2人の会話を聞く事にした。
タクミは思う。

 なに あの男

  超 馴れ馴れしーー
       
 急いでるのに

 っつーか ちづちゃん

  身体 大丈夫かな

  早歩きでイキそうに
    なってたって事は

 止まってたら 大丈夫 か


ちづるはタクミが
離れたのを見届けると、
慌てて吉川に聞く。

「、、なんで、吉川さんがそれ
    知ってるの?」

「え? 
  まぁ、、噂。

っつーか、
洋一でいいって言ってんじゃん。」

「 ぇ? 」

「名前。
バーミーは、皆、
下の名前で呼び合ってる人のが
  多いんだよ?」

「あ、 うん、、。」

「次から下の名前 ね。
俺も、下で呼ぶから。

    ね? ちづる。」

「 、、っ、 うん。 

、 、っ!!!? ぁ っ! 」


その時。
ちづるの中のローターが振動した。
タクミが、スイッチを押した。
吉川という男が、ちづるの事を
下の名前で呼んだ時、
タクミは、頭の中でプツンと
糸がキレた。
ちづるは思わず、
下腹部に手を当ててうつむく。

「〜っ、 っ、 」

「? どーしたの?」

「ぁ、 ううん、
 ちょっと、 お腹痛くて、 、」

「え? 大丈夫?」

「うん、っ、 
もう、帰る所だったから、、
 あの子が、送ってくれるから、」

「本当、平気? 
震えてるよ?

 あ、駅ビルのトイレの方が、
   近い、、、、」

吉川はそう言うと、
ちづるの背中に手を伸ばそうとした。


「夏の出来事 5」の最初へ 「夏の出来事 5」 205 「夏の出来事 5」 207 「夏の出来事 5」の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前