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「夏の出来事 5」
【若奥さん 官能小説】

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駅ビル-1

駅ビルの5階は、メンズ服の店、
雑貨屋、CDショップなどの
お店が入っている。
日曜の午前、人は多く賑わっていた。

2人はタクミの見たいと
言っていたお店に入り
商品を眺めながら歩く。
ちづるは、
今タクミの背中に掛かっている
革製のバッグが、ここのブランドの物だと気がつく。
2人は洋服の話題で盛り上がる。
一通りお店を見た後に、雑貨屋を見る。

好きなブランドの話。
雑貨の話。

お喋りを楽しんで
お店を渡り歩いていると、
あっという間にお昼の時間になった。

2人は8階の、
レストランが多数入っている階へ
移動する。
悩んだ末、パスタ屋に入った。
4名席の窓際に案内された。
2人はメニューを見て、
食べたいものが決まるとタクミが言う。

「ワインあるじゃん。
    飲まないの?」

「えー? いいよ、昼間だし。」

「いいじゃん、休みなんだしー。
 俺も早く、
ちづちゃんと飲みたいなー。」

「ふふっ、、 
あっという間だよ、きっと。
春から専門学校、、だよね?
飲み会とか合コンとか、あるかもね。」

「んー? うん。
2年、待ってね。
 そしたら、一緒に飲もうね。」

「 ぇ? ぁ、 うん、、。」

 2年も 私と
  付き合ってくれるのかなぁ

「 ? どーしたの?」

「ううん、なんでもないっ。
  あ、タクミ君も決まった?」

「うん、頼もっか。」

2人は店員を呼ぶと、オーダーをする。
オーダー後に、ちづるがふと言う。

「タクミ君は、なんで料理なの?」

「え? ぁーー、専門学校?」

「うん。」

「、っんーーー
、、色々悩んだんだけどねー。
大学行って就活、って考えた時に、
なんか、俺は違うかなーみたいな。」

「違う?」

「んーー、、。
なんてゆーか、
手に職をつける、
って方がしっくりくると言うかー。」

「そーなんだ。」

「まぁ、大学にしろ専門にしろ、
親に多少は
お金出してもらうの事になるしー。
そこも色々考慮しつつ、、。」

「え? 

  多少、、なの?」

「うん。
あてに出来ないもん。
まー、半分以上は
  出してくれるけどね。」

「そっか。 

なんか、、偉いね。
でも、手に職なら、
料理以外にも色々あったんじゃない?
そこは、迷わなかったの? 」

「そーだねーー、、。
なんか、料理ってのはすぐ決めたな。
ほら、うちの親あんなだし。
料理しないって、前に言ったじゃん?」

「ん、、うん、、。」

「だから家に1人、
料理できる奴が必要、、

 っつーか、、んーー

1人居れば便利かなーって。
    あ、自分がね。」

「、 、 、 、、。」

「でも、なんか、、 、」

「 ? なぁに?」

「ちづちゃんと居て、
 料理にして良かったーって
     思ってるかもー。」

「へ?? 私? 
    なんで??」

「んーー、なんか。
やっぱ料理って
大事だなーって
 思ったってゆーかーー。」

「えー? 

でも私そんな、、。
 たいしたもの作ってないよ?」

「ふふっ、、
  そんな事、ないよ。」

「、 、 、、なんか、 」


     なんか
 
  タクミ君て 

「タクミ君て、、  」

「んーー?」

「いい男、、。

  だったん デス ネ。」

「、は? 」

「、 、 、、 」

 間違いなく いい男 だ

 こんな しっかり

 お母さんの事とか 考えながら
    自分の将来の事
 
 決めていく人 だったんだ 

「、 、、。

あのさー、
 ちづちゃんて
  俺の事どー見えてるのよ。」

「ぇ?」


そこに、店員が「お待たせしました。」
と、パスタを持ってきた。

ちづるは嬉しそうに
「美味しそうだね。」と言う。
タクミは小さな声で
「ま、いいや。食べよっか。」
と言った。

いただきます、
と2人は言い食べ始める。
タクミはパスタを食べながら
ふと考える。

 いい男 ?
   よく分かんないけど

  嬉しい かも

  、 、 、 、。


、、、って いやいや
 最初のハードルが低すぎた 
        だけか ?

 どんだけ最低男と
   思われてたんだ 俺

 なんか 

 出だしバタついて
   言いそびれたけど

  今日の髪型 かわいいなー、、

 あの3人はともかく
  あの女には
 完全にペース 狂わされた

「んー、、美味しいねー!

 、 ? タクミ君? 」

「ん?」

「どーしたの?」

「んーん、、。
うん、こっちのも美味しい。

 ちづちゃん、俺、そんな
  悪い男じゃないでしょ?」

「ぇ? ぁ、、うん。」

「ふふっ、、 、

  あ 。

1つ、ちづちゃんに忠告ー。」

「? なぁに?」

「仲良しになった人でも、、ね?

簡単にお金とかー、
 貸したりしちゃ駄目だよ?」

「え、?  、、あ、。」

  こないだの  私の

「悪い人ってー、
いっぱいいるんだから。 」

「、 、、 、はい。」

「ふふっ 食べよー?」

「うん、、。」


ちづるは
少し赤い顔をしてはにかんだ。
2人はパスタを食べた。


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