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君が泣かないためならば
【女性向け 官能小説】

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そして1年前、重田さんと別れた私を支えてくれたのは
啓と、紗江子ちゃんだ。

「あんな男、もう忘れろ」
「うん」

「それと、紗江子だなぁ」
紗江子ちゃんは私たちの上司の浅岡さんと不倫をしていた。
「う・・・ん」

啓は。
自分の幸せより、人の幸せを願う。
重田さんと付き合っていた時の私を本気で応援してくれたし
不倫をしている紗江子ちゃんを本気で心配している。

啓みたいな男を。
好きになれれば、幸せなんだろうと思う。

でも、今はまだ
重田さん以外のだれも男としてみるのは難しいのかもしれない。

「明日香!本当に合コンしよう」
席に戻った紗江子ちゃんは軽く酔った笑顔で言った。

「え?紗江子ちゃんの秘書課のツテをフル活用してくれるの?」
「任せておきなさいよ!いい男をそろえるわよ」
「やったね!」

啓はそんな私たちの会話をため息をついて苦笑いをする。

「その合コン俺も参加する」
「あら。啓も?じゃぁ良い女の子揃えなきゃね」
そう意地悪く笑う紗江子ちゃんに
啓はムッとした。
「紗江子と明日香が変な男に引っかからないように見に行く義務がある」
「あら。お疲れ様」
「絶対、俺も呼べよっ」

そんな2人の会話に、私は久しぶりに大笑いした。





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