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君が泣かないためならば
【女性向け 官能小説】

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「お前らさぁ〜。俺がいるときに合コンの話なんかするなよ」
「だってねぇ〜」
「いいじゃん。啓だもん」

その言葉に私と紗江子ちゃんは笑い出す。
笑いつかれた紗江子ちゃんがトイレに席を立つと
今までの声色より1段トーンダウンした啓の声が耳元に響いた。

「明日香、重田さんの事忘れてないんだろ」
「え・・・」
啓には、なんでも見透かされる。

啓は同期の中でも新人研修のころからウマが合った。
同じ部ということもあって、今までも色々支えてくれた。

仕事に慣れたころ、私が重田さんと付き合うようになった時も
啓は一瞬の不機嫌さをすぐに隠して
応援してくれるようになった。

啓は、私の知る限り社会人になって誰とも付き合っていない。

私はそんな啓に甘えている。




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