嘘-2
「んもうーあんにゃろぉーなぁーんで書道の時間で好きな一文字っつって「巴」何て書く
かなぁー。」
気だるそうに愚痴る巴ちゃん。
「ざけんなよー、まるで恋人みたいじゃん一応そうだけどー。」
「あははぁ。」
帰宅するクラスメート、部活の準備をする人たちなどで溢れかえっている夕方。
「アンタの方はどう?アイツと上手く遠距離…してる?」
エンジョイしてる?って聞こえる、私を気に掛けてくれる彼女。
「はい、何とか…昨日も楽しく会話して。」
「良いね、楽しい会話にアイスとコーヒー、アイツがここに居た時も彼と買い出しに行ったりして、アンタって幸せ見つけるの得意だね。」
「そうですかね。」
「そうだよー、私もまた蓮が合宿に行ったらしようかなー、かりんとうに熱いお茶で。」
巴ちゃんはかりんとうが大好物のようで。
「是非是非ー♪その時はいつもの場所で語り合おう!」
「そうねぇー。」
横からバレー部員と思われる女子が巴ちゃんに部活が始まる事を知らせに来て。
「じゃ若葉、私はこれで。」
「うん!頑張ってね。」
「若葉も、何か苦しい事があったら遠慮なく言ってね、風馬の奴や青森で色々あるようだけど私は味方だから!」
「巴、ちゃん…ありがとうっ!」
そうして彼女は地面を蹴り、体育館へと消えていった。
友達って、良いな。
そう思い、上機嫌に校門へ向かう、さて今日も彼と。
辺りに♪マークが付くようにご機嫌に歩く私、でもそんな気分をぶち壊しにする一人の人物が私の前に現れて。
「!さ、早乙女先輩。」
「随分幸せそうね。」
道を塞ぐかの如く腕を組み仁王立ちする彼女、顔は私を見下ろし。