時間よ止まれ!!-1
「はぁはぁ…麻沼、おまえ…いい体しているな」
時間を止めた女子高の、生徒指導室で…オレは椅子に座ったまま、マネキン人形のように固まった女子生徒の体を、ブラウスの上から撫で回しながら…興奮していた。
生徒の麻沼 明子は、オレと会話をしていた時と同じポーズで、両目を開いて少し唇の端を上げたまま…表情も変えずに、素直に触られ続けている。
「これから、麻沼は先生に服を脱がされて…素っ裸になるんだぞ…いいな、麻沼」
オレは、女子高生のブラウスのボタンを、震える指で外しはじめた。
麻沼は、服を脱がされても…抵抗しないで、じっと前を見つめている。
「はぁはぁ…麻沼はいい子だな…素直な生徒は、先生は大好きだぞ…はぁはぁ」
止めた時間の中で、オレに服を脱がされていく、麻沼の体は柔らかい着せ替え人形のように、ポーズを思い通りに変えるコトができた。
腕や足を持って関節を曲げれば…そのまま、麻沼のポーズが固まる。
ついにオレは、女子高校生の服をすべて脱がして、全裸にしてしまった。
「麻沼…綺麗な体だな」
裸のまま、椅子に座らせた麻沼の胸を揉みながら…オレの、興奮は頂点に達した。
教師のオレが、この不思議な力に気づいたのは、一週間前だった…オレは、最初から思う存分、女子高校生と淫らな関係を結んで楽しみたい…と、いう不純な動機から教師を目指した。
その願いが叶って、教師になったオレは希望通り…良家の娘が集まる私立の女子高に着任するコトができた。
これで、天国のようなオレの人生がはじまる。
と、考えていたオレの計画は…すぐに、絶望に変わった。
オレの着任した学校は、特に男女間の関係には、厳しく…とても、教師が生徒と関係を結ぶなどできそうにない環境だった。
(ちくしょう…これじゃ、天国どころか地獄じゃないか!)
校舎全体から漂ってくる、むせかえるような女子高校生の体臭を毎日、かがされながら…沸き上がる欲望を必死に押さえて、オレは、真面目な女子高校の教師を演じるしかなかった。
そして…オレにとって地獄の教師生活も、数年目を迎えた。
今では生徒に慕われる、平凡な教師としての毎日だった。
そんな、ある日…オレの欲望を実現できる転機が、突然やってきた。
それは、いつものように職員室から教室に向かおうと…階段を昇っていた時だった。
次は体育の授業らしい、体育着に着替えた、一クラスの生徒たちが、オレの横を通り過ぎて階段を降りていくのに遭遇した。
(元気がいいな…)
着任した当初は、すれ違っただけで欲情を感じたが…もう、見慣れた光景にオレは別段、何も感じなくなっていた。
キャアキャアと、雑談をしながら降りていく女子生徒の集団に、圧倒されながらオレは階段の中ほどで彼女たちが、降りるのを待った。
最後の一人が通過したらしい…と、思ったオレがふたたび階段を昇りはじめた…その時。
「危ない!」
と、言う女子生徒の声。
顔を上げたオレの目に、驚いた表情で階段の上に立つ一人の女子生徒と…階段を弾んで落ちてくるバレーボールが、目に飛び込んできた。
ボールは、オレの頭に直撃した。
「えっ!?」
バランスを崩して、階段から離れるオレの両足…それは、数秒の出来事だったのかも知れないが。
オレには…まるで、スロー再生されているような感覚で自分の体が、宙に浮いて階段の下に落ちていくのを感じた。
(落ちているのか?オレ…)
時間の流れが、ゆっくりしたような不思議な浮遊感から、オレは後頭部が床に激突した衝撃で現実に、ひきもどされ…そのまま意識を失った。