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ひょうたん(魂を吸い込むツボ)
【SF 官能小説】

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種類が違えば一番は複数-1

会社の廊下で先輩と待ち伏せる。
もし美人じゃなかったら、趣味じゃない顔なら、先輩を置いて帰ろうと思う。
付き合う義理はないはずだ。
待っている時間が長いほど緊張して不安になり、諦めて逃げようかと何度も考えた。
それに、知らない人に話しかけることなんて僕に出来るのだろうか?
月岡さんで女性慣れしたと思っていたが、そうではなかったし。
そう思うと汗が出て、目の前が暗くなり軽い貧血にみまわれた。
いくら美人とはいえ月岡さんに比べれば見劣りするに決まっている、
ここで頑張っても無駄な努力なんではないかと思う。
不安や悩みが交錯して、自分を見失いそうになった時、先輩に背中を叩かれた。
「お、出てきたぞ」
すでに帰りたいモードの僕は、うんざりしながら廊下の角に顔を出して見ると、
システム部のドアが開き女の人が出てくる所だった。
彼女はベージュのスーツにピッタリのパンツルック姿で、
長いストレートの髪は後ろで1つにまとめ、
前髪は真ん中で自然に分けて、
顔は女性誌から出てきたような目鼻立ちがハッキリした女性だった。
すごい、度肝を抜かれた。
先輩が言うように、まさに美人タイプだった、何もかもスッとしている。
にこやかにお辞儀する時の背筋が良く、背中からお尻のラインが細長くて絶品だ。
「女優さんみたいだ……」
「だろ?一番の美人だろ?」
「はい」確かに間違いない。
月岡さんとは種類が違う、比べる事自体間違っている。
可愛いの一番は月岡さんだけど美人の一番はまさにこの人だ、
先輩に二番目を聞いた僕が間違っていた。
月岡さんと同じ様に、あれほどの美人が手に入れば、死んでもいいと思う。
つい彼女に見とれていると、先輩が背中を押してきた。
”いけ”と合図だ。
そうだった、先陣きって話しかけるんだった。
でも無理だろレベルが高すぎる。
僕みたいなのが話しかけて、嫌な顔され嫌われたら一生立ち直れそうにない。
僕は先輩の方を向き、顔を横に振って”ムリです”っとジェスチャーすると、
先輩はそんな僕を見て、”はぁ?”ってな顔をして、押す手が強くなった。
押されると必死に抵抗してしまう、ちくしょう、どうすればいいんだ。
そんな攻防をしていたらシステム部の方から、
「それでは失礼します」と言う彼女の声が聞こえ、
足音がこちらに向かってきた。
やばい
心臓がバクバクするし、抵抗しても先輩の力に勝てないし、
なにより背中が痛い。
もう、やるしかない。
僕は目をつむって思い切って前に出てしまった。
「きゃ!」いつの間にか彼女が目の前にいた。
まさかこんなに早歩きだとは思わず、もう少しでぶつかる所だった。
「……あ すみません」すぐ謝る。
「いえ、大丈夫ですか?」と汗ダクダクの僕を見て心配そうに訪ねて来た。
「あ、はい、大丈夫です」と言いながら彼女の顔を正面から見た。
すげー美人。
切れ長の目が心配そうに見ている、全体が細い。
立ち上がって見ると、
遠目でみたときはモデル並に身長が高く見えたが、
目の前で見るとそれほど高くなく、月岡さんと変わらない背丈に驚いた。
細長いからモデル体型に見るのか、
彼女は優しく微笑み、
「それなら良かったです」と言って会釈して歩き出した。
行ってしまう。
今、声をかけなきゃ始まらない、僕は意を決して呼び止めた。
「あの……ちょっと待って下さい。」
「え、はい?」振り向き目が合ったので咄嗟に床を見ていた。
「あの……内の部にもプリンターがほしいと考えています。め名刺下さい」と手を出す
「あ! ありがとうございます。 その前に失礼ですがどちらの部の方でしょうか?」
「あ、はい……」話そうとした時、彼女の後ろから先輩が出てきた。
「やあ どうも、どうも、間に合って良かった、ありがとうな」と僕の肩をポンっと叩く
「実はですね………………」
後は先輩が話をつないで行く、彼女もカバンからパンフレットを出して、廊下で軽く説明された。


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