今は、かけがえのない一時を-11
「ま、まだですか」
待ち切れずにそれを言った途端だった。前方からシャッター音が聞こえるにもかかわらず、突然、背後に人の気配がすると、椅子の後ろに廻した両手に枷のような物が嵌められたのだ。
「えっ?なに、何をしたの?うそでしょ、やだ、外してえええ」
驚いた優子は、身を捩って後ろ手の戒めを外そうともがいた。
「うふふ、素敵な格好よ」
背後から覗き込むような陽子の声が頭の上から聞こえてきた。にもかかわらず、時折聞こえる前方からのシャッター音は止んでいない。オートシャッターの単純な手に引っ掛かったと気付いたが、もう後の祭りだった。
「てめー、騙したなっ!今すぐ外せ、このバカーッ!」
罵声を浴びせながら自由になる足で蹴りを繰り出すが、もちろん、何もない空間には手応えはなかった。
「やあん、おっぱいプルプル〜、もっと揺らしてえ」
陽子の声のする位置では幾ら足を繰り出しても届かないし、それが陽子を喜ばすことになると気付いた優子は、暴れるのをやめた。
「うるせー、バカ陽子、早く外せって言ってんだろうが」
「まあ怖い。でもそのままじっとしててね。そろそろ、そのパイパンのおまんこを味わいたいから」
「誰がてめーになんかに!前に来い、その鼻を団子にしてやる!」
「あら、ご機嫌斜めね。機嫌が治るように取り合えずこれ返すわね。使いたかったんでしょ」
陽子は気配を消しながら、手にした乳首クリップを手早く優子の乳首に装着した。
「ヒャン!」
弱点である乳首に衝撃が走ったが、それはまだ序の口だった。
陽子は卑猥な笑みを浮かべながら、乳首クリップの振動スイッチを躊躇せずにマックスにした。ブーンと震える乳首クリップが、優子の敏感な乳首を刺激した。
「ぬああああああああ!」
乳首を通して衝撃が走り、女体が硬直して動きが封じられた。身体中の全意識が乳首の刺激に集中していたため、床を突っ張るようにピンと伸びた両足首に枷が嵌められたことに、優子は気付かなかった。
直ぐに足首の異変は察したが、乳首の刺激に堪えれず、さらに左右の膝上に枷が嵌められることにも抵抗ができなかった。
左右の足首と膝上に嵌められた枷は、SM行為に使うような特殊な器具の一部で、バンドルを回すと足が左右に開かれる仕組みになっていた。陽子は喜々としながらハンドルを回した。
陽子が乳首クリップの振動スイッチを切り、その責めから解放された時には、無理矢理開かれた優子の足は、力を入れても閉じられない状態になっていた。
こんなことも有ろうかとしばらく前に準備していた器具が、早速役にたって陽子は満足げにニンマリと微笑んだ。
「はい、お仕置きセット完了。う〜ん、枷に囚われた目隠し美女、ああん、興奮するう」
「バカ!何が興奮するだよ!早く外せー」
身動きができない状態で、優子は罵声を浴びせた。
「あら?女の子なのに口が悪いわね。そんな子には少しお仕置きが必要みたいね」
それを聞いた優子の血の気が引いた。
「ヒッ!う、うそうそ、おとなしくします。だから、これを外してください。お願いします。ねっ、ねっ」
「もう、遅いもんねえだ。ううん、芳しい雌の薫りね。じゃあ、初物いただきま〜す。レロ〜ン」
陽子は擬音を口にしながら、無防備に開かれた割れ目の中を下から上まで舐めあげた。
「んああああ」
目隠し状態の責めは直前まで何をされるかわからないため、イキナリの刺激に対応ができない。さらに視角を奪われることで、その分、触覚が敏感になる効果もあった。ましてや乳首クリップで責められていた女体は既に敏感になっていた。淫部に衝撃が走った優子は、女体跳ねさせて反応した。
「ううん、いい反応ね。じゃあ、これはどうかな?」
「な、何?や、やめてください…」