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ニセお姫様
【初恋 恋愛小説】

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ニセお姫様-1

「…離せよッッ!!」
「ヤダょーん」
「っんだ、テメェッ!!関係ねぇだろっ!!」
「ぅん、関係無い」
「じゃぁ離せ、コラァ!!」
「ソレは出来ないんだなぁ。だって君悪いコトしよぉとしたじゃん??」
「あ゛っ?!何もしてねぇよッッ!!」
「万引きしようとしたでしょ」
「してねぇし!!」
「万引きは泥棒なんだよ。人の物盗るんだよ。物って誰かが愛情込めて作るの。見えない誰かが君の為に汗流して頑張ってんだ。なのに、感謝も無しに勝手に持ってっちゃ失礼でしょ…」「はぁ?!」
「君の為に、知らない人が努力してんだよ…。だから、万引きは注がれてる愛情を突き返すようなもんなんじゃない??」
「………」
「だから、万引きは悪いコト!!それに…」
「…それに??」
「君は女の子だから、女の子らしくするともっと可愛いよ??」
「…はぁぁ?!」
「じゃぁ俺、行くね。バイバーイ!!」


「優ちゃんは、ホント可愛いねッ☆★」
「エエェ?そんなコトないよーぉ♪」
「まぢ、守ってあげたいって感じだわぁ!!」
「本当ぉ??優、超嬉しいっ☆優ねぇ、飛鳥のコト大好きなんだぁ☆」
「まぢぃ!?俺もォ、優ちゃんのコトめっちゃ好き〜っ」
「わぁ〜いっ、ありがとニャンッ!!…あ、お家着いちゃった…優、さぁみぃしぃいぃ!!」
「もぉ、寂しがり屋さんだなぁ。大丈夫!!明日もデートでしょ?!」
「うん、優、寂しくないよっ!!それじゃぁ、明日ねぇ!!大ちゅき☆」
ドアを閉めると、そっこうカチューシャを外す。ゆるいパーマのかかった長い髪を後ろで束ねると、急いで洗面所に向かいメイクを落とした。
うっわ、キモイ。白いワンピースを脱ぎ、黒いタンクとショートパンツに着替えた。

私の名前は、愛川 優。…すんません、嘘付きました♪本当は、愛川 優磨っていいます。……れっきとした女ですから!!

世間ではアタシの格好を姫系と言う。好きな人に「可愛い」と言われたくて、可愛いお姫様になろうと思った。

三年前まで、アタシはバリバリのヤンキーをやっていた。たばこ、飲酒、喧嘩、無免許運転…取り合えず何でも来い!!みたいな…。喧嘩においては、野郎だって負かせる腕はある。だけど、万引きはしたコトがなかった。しようと思わなかっただけで、やらないと決めてた訳ではなかった。


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