冥界の遁走曲〜第二章(前編)〜-16 視線は空を見据えて、 「ごめん」 たった一言だった。 その言葉を聞いた癒姫は闘夜の背中に手を回す。 それは癒姫が闘夜の言葉を受け入れた証拠でもあった。 闘夜の想いの全てを把握しているのかどうか、それは誰にも分からない。 だがそれでも、闘夜の一言で癒されたような気がしていた。 そしてこれからも闘夜が自分の支えになってくれる。 この時はそう信じていた……。