第2話 撮影-8
10分後、服を着た葵は柏木に指定された駅に向かうのであった。
11時50分。S駅に降りた葵は、改札を出て階段を降りたところで、車の運転席からこちらに手を振る柏木の姿を見つけた。
「こんにちは、小峰さん。ごめんなさいね、急に呼び出してしまって。とりあえず車に乗って。話は移動しながら話すから」
葵が助手席に座ったところで車が動き出した。彼女の運転は丁寧だったがところどころスピードを飛ばしすぎているあたり、内心焦っているようだった。
「本当に来てくれてありがとう。今日の予定の子が急に熱が出て穴が空いちゃったのよ」
「いえ、どうせ暇でしたので。ちなみに仕事って・・・」
「あら、前にオフィスで見たでしょ?アレと同じことよ」
柏木が怪しい笑みを浮かべる。
「緊張してるみたいね。まぁ無理もないわ。別に恥ずかしがることではないわよ。最初はみんなそうだったから」
「そうなんですか?」
「それはそうよ。いきなりカメラの前でオナニーしなさい、って言っていきなりできる子なんていないわ。特にあなた達みたいな年頃の子はね。でも心配ないわ、そのうちみんな慣れていくから」
そうはいっても葵の胸の不安は晴れることはなかった。そんな彼女の事は露知らず、運転する車はやがてシティホテルのような外観のマンションにたどり着いた。車を止め、エレベーターで10階に上がり1番奥の部屋に入る。