その後のふたり-1
あの後、由美子から連絡はない。
オレと一緒にいるとダメになるってわかってた
んじゃないかって勝手に思ってる。
窮屈な車の中で、短い間で済ませた行為だ。
もっと由美子の裸を見ていたかったし、違う
愛し方もしたかった。
でも、その接点もなくなってしまった。
勿論、寝たきりになったご主人が電話の音を
聴いている横で逢瀬に誘うこともできた。
彼女は拒まなかったハズだ。
数年後、実家の近くで髪の毛の色が明るく
なり、あの夜より色っぽくなった彼女をデイ
サービスの送迎車で見た。
罪悪感は性欲に打ちのめされたが、それが
正しい選択だったんじゃないかと思う。
家の電話は今日も鳴らない。。。