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OL、堕ちるまで
【OL/お姉さん 官能小説】

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前日、車内-1

初めてのグリーン車に恐る恐る乗り込む。

…なーに緊張してんのよぉ!

…だってグリーン車なんて乗りませんから…

…大丈夫。たまにはご褒美してあげないと。あ、こっちこっち。1階席の方が揺れが少なくて乗り心地がいいんだよ。

夕ラッシュ時間帯だが、グリーン車は空席が目立つ。二人は空いている2列席に腰を掛けた。

…堂々としてれば良いのよ、アタシは仕事頑張ったのよ!って。

…こんな感じ…です…か?

理恵は座席を一気にリクライニングさせ、両方の肘掛けに腕を乗せ、足を組んだ。所謂社長座りだ。

…違う…

黒部もまた、理恵の普段の真面目さと天然っぷりとのギャップに苦しんでいた。演じているだけなのか、本当にスットボケているのか、ただの世間知らずなのか。ただ愛想笑いだけしてみせた。

品川で地上に出た列車は横浜へ向かう。理恵はすっかり暗くなった外を眺めていた。

高校を卒業し、進学のため上京。特に大きな希望や夢、都会への憧れがあったわけではなかった。かといって地元が嫌いで出た訳でもない。

普通に4年間のキャンパスライフを過ごしていた。
好きだったジャズのサークルに参加したり、そこで知り合ったベースの人と恋愛したり。郊外のコンビニでレジ打ち、小学生を相手に家庭教師のバイトをしたり。

あぁ…あのとき乗った新幹線も2階建てで下の席だったなぁ…次の連休は戻りたいなぁ…

防音壁だけが流れる車窓を理恵は肘掛けに頬杖をついて眺めていた。

…あぁ…あの娘、遺体で見つかったんだって…

黒部はスマホでニュースを見ていた。

…え?

“先月28日から行方不明になっていた川崎市の22歳の女性の遺体が鶴見区の━━━遺体は全裸の状態で縛られたような跡と複数の火傷の跡が━━━東京・千葉・神奈川では同一犯の犯行とみられる婦女暴行事件が━━━”


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