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OL、堕ちるまで
【OL/お姉さん 官能小説】

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前日、都内-2

裏口から徒歩数分。新橋駅はいつもより少し混雑していた。

―――京急線で発生した信号故障の影響により横浜方面への直通を見合わせ―――JR線、東京モノレール線への振り替え輸送―――

…あちゃー

シンクロしたかのように発した。最近も帰りに黒部と同じ列車に乗ってその列車が人身事故を起こしている。その日は残業と重なり日付が変わってからの帰宅になった。

…しょうがない。横須賀線使お。

…でもアタシの降りる駅、連絡運輸してないですよ?

…いいじゃん。なら今日は出そうか?こないだもひどい目にあったし。

…悪いですよぉ。

…せっかくの週末だし、給料入ったばかりだし。任せてよ。

嫌な予感しか理恵の中にはなかったが断れず、応じることにした。黒部との微妙な金銭感覚のずれは知り合って以来、引きずり続けている。思い知る度、この人の実家はきっと金持ちでお嬢様なんだろうと、無理矢理納得させていた。

…あ、ちょっと待ってて。

そう言い残し、黒部は行く必要がないはずの自動券売機へ小走りしていく。妙にヒールの高いパンプスがラッシュの喧騒に負けないほど大きな足音を残していく。

…ごめん、待ったねー。

行く時よりもさらに早い足取りで戻ってくると理恵に一枚のきっぷを渡す。券面にはここから自宅の最寄り駅の駅名が書かれている。だったら横浜で降りたのだ。

…えっ?

…いいじゃない。付き合ってよ。

まだ気づいていない。受け取ったきっぷを左胸の内ポケットにしまい、横須賀線の地下ホームへ向かう。
黒部は慣れているようだが理恵はあまりなれていない。この駅を使い始めて3年たつが今でも迷子になりそうになる。

最後のエスカレーターを下ると列車がちょうど到着したところだった。目の前に止まる2階建ての電車。ホームはどこも人だかりなのにその車両の前だけはガラガラだった。車内もまた、同様だった。

…乗るよー。

…えっ?

…良いから乗って!

しまっていたきっぷを見直した。“乗車券・グリーン券”と書かれていた。
理恵はグリーン車を知らなかった。あの席は高い、偉い人やお金持ち専用席…というイメージしかなかった。そこに自分が今、乗ろうとしている。


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