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新しい君に
【その他 官能小説】

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新しい君に-10

(10)


「お帰りなさい」
ドアを開けると食卓の純子が振り返った。
「今日は天ぷら」
「好きだよ。好物」
「よかった。てんつゆがいい?お塩?」
「てんつゆにするかな」
純子はブラジャーを着けていた。
(胸のふくらみ……)
そのラインは初々しい『女体』として映った。

「ブラジャー、似あうよ」
「ありがとう……」
「何カップ?」
「いじわる……」
笑いながらも口を尖らせてみせた。
「中身はありません」

(一つになりたい……)
ここ数日、俺の中でその想いが強くなり、また遠のき、揺れていた。
 純子を知ってから俺の性癖が変わったとは思えない。電車の中でいい女を見れば体を想像して妄想に耽ったりもする。チャンスがあればためらいなく抱くだろう。純子が障壁となっていることはない。
(純子が特異な位置にいるのだ……)
俺はバイセクシャルではない。純子に昂奮するのは『女の要素』を感じているからだ。
(要素……)
それは考えてみれば何とも脆いもののようにも思えてくる。

 確かなことが頭の中を掠めているのはわかっていた。純子を愛し続けて何が生まれるのか……。何が残るのか……。
(築くものがない……)
いつか限界がくる虚しさが過るのだった。
 

 下着姿は女の実感を高める。俺だけでなく純子もそのように思えた。愛撫しながらブラジャーを外すと、
「あん……」
艶めかしい声を洩らし、
「ああ!」
乳首の感度も高まっているようだった。
 薄いパンツを脱がせる。心持ちよじる腰を抱え、袋を口に含んだ。
「あ、あ、」
いつものように先端は咥えなかった。
 柔らかな袋、2つの玉を転がすように舐める。
「あ!感じる……」
純子は自分で両脚を抱えて尻を迫り上げてきた。
 俺の舌は穴を突いた。
「ヒ!」
襞の中心に舌先を押すとわずかに入った。
「だめ!そこ、だめ!」
言葉とは裏腹に突き上げてくる腰の動きは快感に翻弄されるままのものだろう。

(純子!)
ここが純子の『女』の源なんだ。『女』として男と一体となるにはここしかないのだ。
俺の中で何かがぷつんと切れた。
(純子が求めている)
それだけでいいのではないか?
築くものが見えなくても、俺には何も失うものはない。……
(純子がほしい!)
刹那のように想いが走った。

 強引に体を転がしてうつ伏せにして尻を引き上げた。その時には俺のペニスはアヌスにあてがわれていた。
「上条さん」
「純子」
唾液を塗り、ぐいっと押す。
「ああ!」
純子の背が反った。
 穴が押し開かれ、わずかな抵抗感の後、根元まで一気に納まった。
「あああ!」
「純子!」
「初めて!初めて!」
根元の圧迫以外締め付けはない。
「ああ、1つになってる、なってる」
「純子」
「おまんこがほしい……」
「ここがおまんこだ」
「嬉しい……」
ゆっくり抜き差しする。
「痛くないか?」
「はい……」
動きながら『クリ』を握って扱いた。
「気持ちいい!」
「純子、愛してるよ」
「ありがとう……。その言葉に甘えたりしません。……縋ったりしません……ありがとう。あたしを女にしてくれて……」
俺は小さな尻に食い込んだペニスを見下ろしながら、
(何か築けるかもしれない……生まれるかもしれない……)
「純子」
扱く幹が一段と硬くなった。
(新しい君になるんだ!)
俺は近づく射精の昂揚感に酔いしれていた。 

 


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