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新しい君に
【その他 官能小説】

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新しい君に-9

(9)


 平日に純子の部屋に行く時は泊らずに帰った。俺の仕事が早朝出勤なのが理由だった。5時前には出なければならない。ゆっくり夜を過ごす余裕がないのだ。だから食事をして軽く飲み、抱き合う程度で帰ってくる。その刺激はくすぶりながら持続し、土曜日の快楽に結びつく効果にもなっていた。
 
 その夜は何気ないやり取りから俺の情欲に火がついてしまった。
 食事が終わり、
「お風呂入っていくでしょう?そのほうが帰ってすぐ寝られるし」
「うん……」
このまま帰れば面倒でそのまま寝てしまうだろう。下着の着替えも用意してある。純子が洗っておいてくれる。

 純子はこまめに動く。ふと屈んだ背中を見て薄着になってきたなと思った。少し動くと汗ばむ季節であった。
「ブラジャーはしないの?」
不意の質問に苦笑しながら、
「夏はします。透けて見えるでしょう?だから」
パンツも夏は小さめのものにするという。
「なんで?」
「え?いやだあ……」
顔を赤くして俯いたのは意外だった。
 股間を隠すものがないので盛り上がりをなくすのに苦労するという。出来るだけ股の奥に押し込み下着を引き上げる。
「あたしのサイズ小さいから膨らみはわからないんです」
聞いていて俺は昂奮していた。

「純子。下着姿、見せてくれ」
ブラジャーを着けた胸と、膨らみをおさえた股間が見たかった。
「え?恥ずかしいよぉ。それに時間が」
「今夜は泊る。見せてくれ」
俺の目に熱を感じたのだろう。純子の笑いは消えていた。
「じゃあ、シャワー浴びてから……」
「一緒に入ろう」
「だめです。だって、一緒だと、クリ、大きくなっちゃう……」
なるほど、勃起したら押し込めようがない。
 純子が先に入り、
「着替えておきます……」
押し込めるところは見られたくないと純子は小さい声ながらはっきりと言った。
俺に体のすべてを見せていても『女』へこだわる『裏側』は見られたくないのだろう。


 ベッドに横たわる純子。布団を顔半分まで被っていた。
「マスクしてるみたいだ」
目が笑い、布団を少しはだけて笑顔が輝いた。白いブラジャーの肩ひもが小さな肩にかかっている。そのか細い骨格がよりいっそうの女を想わせた。
 裸身は眩しかった。
「いや……」
身をよじる仕草は女の意識が満ち溢れているからだろうか。
 白い、かすかに透けたパンティ。股間は、
(女性器)
大陰唇の膨らみに思えた。
「きれいだ、純子……」
手を触れ、顔を押しつけた。
「ああ、だめ、おっきくなっちゃう」
挟んでいたモノがぐんと突き上がった。
「ごめんなさい、もうだめ……」
「いいんだよ」

 重なって長く熱いキスを交わした。
白い肌に白いブラジャーが溶け込んだように見える。揉んでもパッドの感触しかない。
「オッパイ、大きい方が好きでしょ?」
「純子は純子だ」
「吸って、舐めて。上条さん……」

 上になり、下になり、いつか『69』の形になって互いを咥えていた。
「うぐ……」
下になった眼前には尻の穴が迫る。手で開くと肛門の肉は柔らかく、ピンクの内肉が覗いた。
「ううう……」
咥えたまま純子の声が低く響く。
(感じるのだ……)
深い快感を覚えた時、男声の片鱗を響かせる。
 秘孔に指を押し当てた。
「あう」
俺を口から離して背を反らせて呻く。
(感じるんだ……)

 俺はアナルセックスの経験はない。関心もなかった。1度、買った女にせがまれて試みようとしたが、出来なかった。生理的な抵抗があった。
しかし、そんな俺が『ペニス』を咥えて燃えている。そのほうが倒錯している。……
「あたし、まだバージン……」……
いつか純子は言った。
(望んでいるのだろうか?……)
これまでそんな素ぶりは微塵も見せてはいない。
(挿れてほしいのか?……)
俺は急激に切迫した。
「ああ、イク、イク、純子」
純子の動きが速くなり、
「うう!」
俺は初めて純子より先に果てた。直後、夥しい精液が俺の口中に放出された。

 翌朝、気配で目が覚めた。キッチンに純子がいる。時刻は4時すぎだ。外はまだ暗い。
「純子」
「サンドイッチ作ったから食べてって」
ふだんは販売機のコーヒーで朝食代りだ。
「ありがとう」
純子に初めて言ったかもしれない。……

  

  


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