木曜日 3-1
タクミはちづるを見つめながら、
両手で、ちづるの両手を持つ。
ちづるの顔を覗きこむ。
「ちづちゃーん?
前に、言わなかった?
ちづちゃんは、下手なんだよ?
嘘つくの。 」
「、っ、! 、 、、」
「どこに、いっちゃったのかなー?
DVD 。」
「、 、 、っ、 、、」
ちづるはうつむいて動かない。
タクミは言う。
「、 、、昨日は、ごめんね?」
「 、 、え?」
「フェラの時、DVD つけて。」
「、 、、ぁ、、」
ちづるの大きな目が潤む。
「でー、、?
どこに、やっちゃったの?」
「、 、 、、 、 」
しばらく沈黙が続く。
タクミは、
ちづるの言葉を待った。
「、 、、っ 、折ったの、」
「 え?」
「、、 、半分に、 」
「、、おっ、た ? 」
「、 、、だって、っ、
貸してって、
、 、っ、、言われると
思わなかったから、、 」
「、 、 、 、、 、」
ちづちゃんが
DVD を
折った ! ?
え、 1人で?
それ、 、、
「、、、見たかったな 。」
「、っ、! 本当、ゴメン、、!」
「 え?
あ、いや、
DVD じゃ、なくて、、」
ちづちゃんが、
思い詰めた顔して
DVD を折るの
見たかった 。
ちづるは慌てていて、
タクミの言葉を聞き取れなかった。
「でも、!、あたし、
タイトル覚えてるし、、
通販、とか、探してみるから、 、」
「 、 、え ?
いや、いいよ。
あれ、結構有名だから
ツタヤとかにも、置いてあるし。」
「、 、っ、
私が、借りようか?」
「 、は ?
え ? なんで?」
「だって、、、あの、
カーテンみたいな所のやつでしょ?
大人じゃないと、、
借りれない ところの 」
「、 、、18才だから、入れる、ょ」
あ
でも !、 、、
タクミは想像する。
真っ赤になり、
震えながらアダルトコーナーに行く
ちづるの姿。
しくじった
かも
借りて、って言えばよかった
そんで、
俺は知らない人のふりして
後ろから眺めて、 、、
あ、いや、カーテンのとこに、
18禁 って書いてあるっけ、、
タクミが考えていると、
ちづるは呟く。
「そっ か、。 」
「ってか、ちづちゃんが気に入ってたやつなのにねー、、。
今日はー? エッチする?
それとも、寝たい?」
「、 、、ん、今日は、
疲れたから、 、、」
「朝、エッチな事しちゃうからー
そりゃ疲れるよー 」
タクミはクスクス笑う。
「ん、 、うん、。
ぁ、っ、私、、お皿、洗ってくる、」
ちづるは誤魔化すように
お皿洗いにとりかかる。
タクミは、その間にシャワーを浴びた。
二人は寝室へ行き布団に入る。
ちづるが眠そうな声で呟く。
「タクミくん、、」
「 ん?」
「、 、みっともないとこ、
見せて、ゴメンね、 、、」
「 え? 」
みっともない とこ ?
「やっぱり、もっと、、
ちゃんとした人に なりたい、、」
「、 、、漏らさないでー
紫の下着が似合ってー、
性欲の弱い、、
DVD を、折ったりしない、? 、」
「ふふ、 、、うん、そう、 、、」
ちづるは目を閉じた。
しばらくすると、
寝息が聞こえてきた。
タクミは頬杖をついて、
ちづるの寝顔を眺める。
寝ているちづるに呟く。
「 みっともないとこ 、?
、、見てないんですけど。」
ちづちゃん、男と喧嘩した事、
ないのかなぁ?
ふと、タクミは思い出す。