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ある感情の軌跡
【純愛 恋愛小説】

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ある感情の軌跡@-3

手紙をもらって一週間が経っていた。
さすがに食欲もでないし夜も眠れなくなってきた。


そんな時、綾香と同じ高校の女友達から連絡がきた。
他の友達にも頼んで探してくれたらしい。
だけど吉村綾香のことは誰も知らない、それらしい容姿の者もいない。
と謎が謎だと決定させるだけの報告だった。

期待していた。
何か、何でもいいから誰かが答を出してくれることに。


連絡の電話に礼を言い、携帯の電源を切った俺は手紙を持って湖に向かった。


久しぶりにタバコに火をつける。
何においても落ちこぼれだった俺は中2から愛煙家だった。
でも不良と呼ばれ、モラルがない人間と思われるのが嫌で勉強を始めた。便宜上に官僚を目指し始めた。


『そんな偏差値20upを成功させた高校受験の勉強中、綾香と出会ったんだ。』


学校生活にだらし無いけど勉強だけはできる。
おかげで俺は自由人と呼ばれている。
タバコは綾香が嫌がるから付き合いだしてから止めていた。


『入試の前日、図書館の階段で、俺を呼び止めて告白してくれた。』


『突然で、驚いて、でも試験合格よりずっとずっと嬉しかった。』


吸い殻を携帯灰皿に押し込み2本目に火をつける。
久しぶりにとるニコチンは頭をクラクラさせる。

『…結局、言えなかったなぁ』



そして手紙にも火をつける。


『本当はさ、綾香に会うのが密かな目的で、毎日図書館に通ってたんだよ。』


燃え焦げる手紙を見つめながら、俺は全身から涙を吐き出した。



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ある感情の軌跡
第1話〜手紙〜
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