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ある感情の軌跡
【純愛 恋愛小説】

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ある感情の軌跡@-2

いや、違う。ダメだ。
俺は、俺達は互いの家も住所も親の名前も、電話番号さえ知らない…。

知ってるのは名前と出身中学と誕生日だけ‥?なんでだ?

『あぁ、そうか』
思わずつぶやく。俺は、そんなことも聴いてなかったんだ…

少し痛い罪悪感。
なんだか虚しくなって、再び脱力感が襲う。
でも確かめなくちゃいけない。
死んだのが嘘か否かも分からないのに悩む意味なんてない。
明日から綾香の知り合いを片っ端しから捜そう。
思いきって綾香の高校にも問い合わせしてみよう。

彼女が生きている可能性を見つけた俺は明日の予定を決めてゆっくりと家路へ自転車を転がした。

次の日俺は課外授業で学校に向かう途中、川原に座って綾香の高校に電話した。

『お忙しいとこすいません。そちらの家政科の一年生の吉村綾香さんについて伺いたいのですが』
と大人っぽい喋り方をしてみたがこれでは不審か!?が、その回答は
『はい?私は家政科の担任ですが吉村という生徒はいませんが、何かのお間違えではありませんか?』
『そんなはずありません!吉村綾香です。一中卒業の丸山の友人で!!』

丸山は俺と同じ中学出身だ。綾香がたまに話題に出して丸山が綾香と高校が同じで唯一俺と綾香の共通の友人だと知っていた。

『えぇ、丸山さんは1学期で退学なさいましたが、吉村さんという方は‥』

言われて何秒か、沈黙してそのまま電話を切った

どういう事だ?だって綾香はちゃんと制服着てたじゃないか?

丸山は友人と言っても俺と丸山は顔見知り程度で携番なんて知らない。

今度は同じ中学からその高校に行った他の友達に電話をかけた

しかし綾香の通っているの女子高、そう知り合いもいない。

『あ〜丸山?何か引越したみたいよーあの子高校入ってから付き合い悪くてわかんない』
と余計に謎が深まるだけだった。


出身中学にも問い合わせた。
すると彼女は確かに中学三年生の一年間は在学していた、と確かめられたが、それ以上は教えられないと拒否された。まぁ、当然といえば当然か。
次に綾香と同じ中学出身の俺と同じクラスの奴に聴いてみたが、皆『いい子だったよ』としか知らない。
他のクラスには綾香と友達だったという奴もいたけど住所も電話番号も知らないという…。

夏の日差しが俺を苛立てた。
電話中ずっと腕から汗が流れ落ちていた。

意味がわからない。

何が起こっているんだ!?


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