第5話 禁断の門-1
「はあ・・・はあ・・・・・・」
男性器型のバイブレーターが、自分の中で往復する度に息を荒らす峰子。
しばらくすると峰子は、全裸に黒いガーターベルト、黒いガーターストッキング、黒いハイヒールを履いたままの状態で、まるで分娩台のような上で、仰向けに寝かされていた。
両手と両脚は広げた状態に、黒の皮ベルトで拘束された状態でもあった。
その広げた両脚の間には、同じく全裸になった男もおり、峰子の中のバイブレータを往復させていた。
さらに回りを見渡せば、鉄格子や張り付け台などもあり、おどろおどろしい雰囲気もあった。
ここはSMホテルの一室であり、あれから二人が向かった場所だった。
「ふふ・・・気持ち良さそうにしてるじゃねえか。それじゃあ・・・そろそろいつもの奴でも行くか」
男はそう言いながら、峰子の中にバイブレーターを刺したまま、隣にある長方形型のテーブルの方を向いた。
その上には、鞭、蝋燭、さらには浣腸器具などのSMで使用される道具が、所狭しと置かれていた。
男はその一つの、赤い蝋燭を手に持った。
「お願い・・・それだけは止めて・・・はあ・・・はあ・・・・・・」
快楽に身を任せていた峰子だったが、薄らとした目の視界で、男が手に持つ蝋燭を捉えていた。
「ほう・・・どうした?。いつもなら何も言わずに悦んでるくせによ・・・ふふ・・・・・」
「本当にお願い・・・今は駄目なの」
「さては、男でも出来たか?。だとすると・・・跡を残しちゃまずいからな」
「そ・・それは・・・・・」
「まあ良いよ・・・お前に男が居ようが俺には関係ねえ話だからな。とりあえず、今日だけは楽しもうな」
男はそう言うと、手に持つ蝋燭を置いて、代わりにボールギャグを取った。
「ふふ・・・今回は勘弁してやるが、これ以上口答えが出来ないようにしてやるからな」
「う〜!・・・う〜!・・・・・・」
峰子の口には、男からボールギャグを咥えさせられて、あまりの大きさに悶絶していた。
さらに、ボールギャグのゴムベルトを締めると、男は峰子の首に、鎖の付いた革の首輪をはめた。
「少し早いが、お前の好きな奴をお見舞いしてやるよ」
男は、拘束した峰子の両手と両脚の皮ベルトを外すと、首輪に付いた鎖を引っ張った。
すると、まるで犬の様な散歩のスタイルで四つん這いになり、男の引っ張る方へと峰子は歩き出した。
ボールギャグを咥えた口元からは、よだれが流れて床を濡らしていた。
さらに、峰子の中にはバイブレーターが刺さったままで、卑猥な動きでうごめいていた。
そこには、正志と過ごした時のセレブリティな峰子の姿はあらず、ただ快楽に身を委ねる性奴隷でしかありえなかった。
『正志さん・・・・・・』
前の晩に、正志に大事にされた事を思い出して、思わず心の中で名前を呼ぶ峰子。
今の惨めな姿を思えば、正志と過ごした夜が彩られるように美しくもあり、愛おしい思いにさせられていた。
だが、それとは裏腹に、今受け入れている峰子自身の性癖は、正志との間では到達しえないオルガスムの極みを目指していた。
男が鎖を引きながら峰子を誘導していると、その先には鉄格子の引き戸があった。
ガラッ〜!・・・・・・
それを男は、けたたまし音を響かせながら開いた。
引き戸の中は個室となっており、天井からはチェーンブロックの鎖で吊るされた一組の黒い革の腕輪と、土間タイルの床には和式の白い便器が設置されていた。
男は、首輪の鎖を引っ張り峰子を個室に引き込むと、両手を掲げさせて、天井から吊るされた腕輪で拘束した。
さらに、男がチェーンブロックの鎖を引っ張ると、峰子は揃えた両腕を天井から吊るされ、便器をⅯ字に開脚してまたいでいた。
「ふふ・・・こんな姿を、お前の男が見たらどう思うんだろうな?。まあ・・・10年以上もこんな付き合いだから、俺から見れば当たり前の光景なんだがな。さてと・・・お前も我慢できないと思うから、そろそろ始めるか・・・・・・」
男はそう言いながら、鉄格子の個室を出て、再びSM用具が揃えられてる長方形型のテーブルを押しながら入ってきた。
その中の一つの、医療用ゴム手袋を両手にはめると、大型の浣腸用注射器を手に持った。
男はそのまま、液体の入った瓶の蓋を開けると、注射器で吸い上げた。