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MOTHER 『僕』
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MOTHER 『俺』-1

『いってらっしゃい』
『パパー』
『今日は早く帰れるから』
いつもと変わらない毎日。ただいつもと違うのは妻を裏切った事への罪悪感。

『ずっと ずっと 先生だけを!!!』

俺は彼女の気持ちを知っていた。
もうずっと昔から。
立場もあるし 俺には妻子がいる。
それに相手は未だ子供だ。子供に振り回されて家庭崩壊・懲戒免職だなんてまっぴらごめんだ。

『ねぇ 先生。一回でいいから。今夜だけでいいの。抱いてほしいの。初めては愛してる人に愛されたいの。ね お願い。諦めるから!誰にも言わないし迷惑もかけないから!好きなの…… 先生……あたしに触って』
大きな瞳に熱っぽい涙を浮かべてにじりよる彼女に。彼女の言葉に。彼女の想いに。彼女の身体に。俺は負けた。
何かが切れた俺は彼女の若さを貪り、何もかも忘れて夢中で愛した。

情事の後 彼女は頬を薄紅に染め 幸せだと涙を浮かべた。
俺の中で何かの歪む音がする。
必死に抑えようと堪え このままではマズイと目を逸らす。
彼女は俺の頬を優しく包み自分の方へ俺の顔を向ける。戸惑う俺に 小さく はかなく 全てを理解しているかのように弱々しく笑った。
俺は彼女をただただ抱き締め 彼女の言う『今夜』が終わらぬように 何度も 何度も愛し合った。
何度も 何度も 『愛している』と――――――。


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