帰り道-1
「ああ、見たかったなあ。あたし、すごく興味あるんだよね。ネットでいくら調べてもきりがないの。画像見ながら粘土で何個か作ってみたけど、硬さとか寸法とかリアルに分からないし。アリサは触ったことあるんでしょ?」
「あんたみたいに頭いい子って、なんかホントの意味で頭悪いよね。」
「だって知りたいもん。でも、なんで踏んだりしたの? ひょっとして、伯父さんに虐待されたとか。」
「ギャクタイ? また難しい言葉を使う。」
「大人が子供にエッチなことすると虐待になるんだよ。犯罪だよ。」
「子供が大人にしたら?」
「さあ。いいんじゃないの? あたしならするけど。」
「とにかく、あんた、人のことじゃなくてエッチなことしか考えてない。もしあたしが伯父さんの目とか指とか潰しちゃったんだとしたら、どう?あたしの気持ち、そういうのだよ。それに、あそこを女に踏まれちゃうなんて、あたしが男だったら堪らないよ。伯父さん、かわいそうでしょ。」
アリサはものをはっきり言う性格ではなかったが、ソフィヤとはそれができるのだった。
「ごめん。あ、あたし、塾があるから行くね。またあした。」
ソフィヤは、謝らないで説明するタイプの子だった。今のごめんは、だから精一杯の反省を表したものとアリサは捉えた。
日は暮れて、コンビニの明かりが随分目に眩しかった。ソフィヤを見送ったアリサは、コンビニでパンを買って帰ることにした。