第一章-2
校庭にはミユウを見ようと男子たちが多くいた。
どう考えてもミユウを見ている男子たちの目はニヤニヤし
ていていやらしいめつきだった。
陸上部の顧問は生徒たちにはやく帰りなさいと注意した
が、逆にこう言う。
「先生、俺たちは授業を終わってここでのんびりと休憩し
てるだけです、それとも何ですか・・・・・・この校庭に
いちゃあ行けないんですか、そんな規則なかったと思いま
すが・・・・・・・」
そう言われるとなにも言い返せなかった。
毎日、陸上部の生徒は、欲情にかられた男子たちの注目の
的だった。
事件こそ起こってないが、部員は全員、嫌な感じを拭いき
れなかった。
たまに、部員の女の子が男子たちを見ると、その顔がすご
く怖いときがあった。
今の世の中、危ない事件は多い。
自分が下校中待ち伏せにもあったら、と考えると恐怖し
た。
そのなかでも、ミユウは余裕がなく、無防備で部員
女子から心配されていた 。
顧問も厳重に下校を見送るほどであった。
そんな中、学校の屋上で一人の男子がミユウを見ていた。
彼の名前はヤシロレイ。
この学校で誰もが知っているたちの悪い不良の一人だっ
た。
彼はミユウを見ながらニヤニヤしていた。
ポケットからタバコとライターを取り出して吸う。
規則でタバコなどは当然、禁止されていたが、そんな事は
彼らには何の効力もなかった。
レイは思った。
「あいつ、相変わらず可愛くて、いけケツしてんな、たま
んねー、あいつ、もう、彼氏とかいんのかなー、あー、抱
きてえ、チャンスでもありゃなー」
と、興奮しながら思った。
かなりちかずくと危ない男だった。
だが、彼は男としてはかなり美少年だった。
彼は高校一年生の時、入学してすぐにその不良のスタイル
から学年の上の不良連中に目をつけられて、この屋上に呼
び出された。
不良の連中は男子が5人で、女子が2人だった。
レイは呼び出されて一人屋上に上がってくると、その顔を
見た不良の女子はドキ・ドキしながら見た。
明らかに彼に二人とも気があった。
それを見た不良の男子たちは、はらわたが煮えくり返った
し、何よりもレイの顔が美少年すぎることにも腹が立っ
た。
不良の男子たちは、絶対にレイの顔を無茶苦茶にしてやろ
うと思った。