夢-2
土曜日は2人とも昼だけ仕事だった。
夕方5時すぎにタクミはちづるの家に来た。
ちづるは、すっきりとした表情だった。
夕飯にパスタ、サラダ、スープを作ってテーブルに並べる。
いただきます、と言って夕飯を食べた。
タクミは、少し疲れた表情をしていた。
雑談をして、食べ終わる頃にちづるが言う。
「タクミ君、昨日はちょっとしか寝れなかったから、、眠いでしょ?」
「 ん? んーん、、大丈夫。」
「そう? 少し、眠そう。」
「そーかなー、、」
「うん、、 、。
あ、紅茶いれようかな。」
ちづるは空いたお皿をさげて、台所に行くと、お湯を沸かして紅茶を2人分いれた。
戻ってきて紅茶をテーブルに置く。
ちづるは、ソファーに座っているタクミの隣に座る。
タクミが言う。
「やっぱり、それは好き、だったんだよ。」
「 ? 」
「ちづちゃんは、その医者の事、、」
「 あー、、、その話?」
「レズっ気あり。 です。」
「えー? 違うよー。」
「そうだよ。
タオル、盗ったんだよ?
匂い嗅ぐ為に!」
「、っ、、ぁ、いや、、、あのね ?
嗅ぐ為に、盗ったんじゃなくて、、
なんか、、その、、、
診察の時にベッドに置いてあって。
小さい、タオルだし、、
分からないかも、、とか、、、
ふと、思っちゃって、、、
出来心? みたいな、、、」
ちづるはもにょもにょと、言い訳をする。
「、っ、、本当に、
嗅ぐ為に盗ったんじゃなくて、、
戻そうと、思ったんだよ?
でも、、、、
日にち、経っちゃってて、、。
先生と同じ匂いがしたから
気がついたら数日、、、」
「それ、同じ事だから。」
「、、っ、、、。
、、あ!
でもね、その頃、確か私、、
好きな人、いたんだよ!?
先輩で、男の人!」
「、、、、。」
「、っ、、先生は、その、、、
私、高校入って環境変わって、、。
今思えばストレス?もあったのかな。
そういう時って、妙にナイーブってゆーか、、繊細に、なってて、、、。
そんで、、、
その、優しく してくれて、、、」
「どんな所が、好きだったの?」
「 え ? だから、優しい所、、」
「もうちょっと、具体的に。」
「、、、んーと、、
でも、、高校時代だよ?
もう、記憶も薄くなってるよ。」
「、、、記憶薄いのに、オナニー我慢したらその医者を思い出して、
お か ず に! したんだよ?
ちゃんと、思い出して。」
「、っ、!、、、ぅん、、
んー、、、具体的には、、、
ぁ 。 」
「 何 ??」
「ほっぺを、撫でてくれてて、、。
あの、こう、、
つねるような、形で、、
でもつねらなくて、、こう、、、」
ちづるはタクミのほっぺを、親指と人差し指で、2回撫でた。
「いつも、これをしてくれて言うの。
『常盤さん、無理しないで ね?』
、、、、って。
その時に、いい匂いがフワッと、、。」
「、、、、。」
「そんな 感じ でした 。」
「、、、あり。レズっ気、あり。」
「、っ、!? ないってばー!」
「、、、じゃあ、今、目ー閉じて。」
「 ? 、、なんで?」
「いいから閉じて。」
「 ? 」
「ちゃんと、想像してね。その先生が、、、」
タクミは少し、声の音をあげる。
「常盤さん、アタシ、男の人より、女の人が好きなの。
常盤さんの事、前からかわいいと思ってた。アタシと、付き合って。
、、、って、言われたらどうする?」
ちづるは目を閉じながら言う。
「先生は、そんな事言わないよー。
確か、結婚もしてたし。」
「ちづちゃん !
ちゃんと、リアルに 想像して !」