夜中に-1
じっと見たあと、ちづるは綿棒を手に持ったが、悩んでいる。
真面目な性格なゆえ、1度決意した事を変える事に躊躇している。
「、、〜っ、、、」
テーブルに置いてあるスマホを見る。
タクミの声を思い出す。
『呼んで、いいよ?』
一人で、 、
しちゃうなら、呼んだ方が
いいのかな、、。
時計を見たが、身体は限界だった。
タクミに電話をした。
「、、、 、、 、。」
、 、 、、、 、 、出ない 。
電話を切った。
ふっと笑い、独り言を言う。
「、 、寝てる よね 、、。」
私 、 、意志 、 、
弱い 、、 、 、、。
情けない気持ちになった。
ズボンとパンツを脱いだ。
ソファーに座り、脚をひろげる。
綿棒で、自慰を始める。
頭の中は、
夢に出てきた医者でいっぱいだった。
***
午前3時。
タクミは寝ていなかった。
家に帰り、シャワーを浴びていた。
その日は男友達4人で漫画喫茶、ラーメン屋、カラオケに行っていた。
シャワーを浴び終わり、テレビをつける。しばらくして、そろそろ寝ようかと思った時に、ふとスマホを見た。
ちづるから着信があった。
電話? ちづちゃんからだ。
え ? 3時に ?
すぐにラインを開くがメッセージは届いてない。
ちづるに電話をかけ直す。
***
ちづるは、自慰に没頭していた。
「はぁっ、、ん、、ん、はー、、、」
頭の中で、夢に出た医者が、ちづるのアソコを綿棒で弄っている。
『常盤さん 無理しないで ね ?
あ、、いっぱい、濡れちゃってる。
気持ちいの ? 』
色んな言葉を想像する。
「はぁっ、、ぁ、あ、せん、せ、、」
『常盤さん、 かわいい、 、。』
すると、スマホが鳴った。
タクミからの着信だった。
「ぁ、、、」
ちづるは、スマホを持ち、タクミの顔を思い浮かべる。
急激に罪悪感に襲われた。
電話に出た。
「、、もしもし、、」
「あ、ちづちゃーん? こんばんは。
どーしたの?夜中に。」
「ん、、ぅん、、、」
「 ? 」
「、っ、、〜っ、あの、、私、、」
「、、、、、。
もしかして、1人で、してた?」
「、、、ぅん、、っ、、、」
「、、今も ? 」
「、ん、、ごめん、、夜中に、、、」
「行っていい?」
「、、うん、、」
「じゃあ、1回切るね ?」
「、、うん、、」
電話が、切れた。
「、、、、。」
罪悪感と情けなさが、同時に押し寄せる。
パンツとズボンを履いて、とぼとぼと
玄関にきた。
中はから鍵をあける。
ドアを開けると、タクミはもうドアの前に立っていた。
タクミはニコッと笑ってちづるの顔を覗きこんだが、ちづるは目を合わせずに、部屋に入ろうとした。
タクミは靴をぬぎ、玄関にあがる。
ちづるの背中に話しかける。
「我慢、出来なくなっちゃった?」
ちづるはピタリと止まった。
ゆっくりと、体をタクミに向けるが、しゅんとしてうつむいている。
目を合わせようとしない。
そのまま小さく頷いた。
タクミは側にきて、ちづるを抱きしめた。
「そっか、、。」
そう言うとタクミは、ちづるの背中をさすった。
ちづるは、抱きしめられながら言葉を探したが、見つからなかった。