言えない事-1
タクミとちづるは、相変わらず週に1〜2回のペースで会っていた。
会う度にちづるはご飯を作る。
何度か、タクミはちづるにご飯代を渡そうとしたが、ちづるは断固として受け取らなかった。
『1人分も、2人分も変わらないから。』
と、言っていた。
仕方なくタクミは、バイト先のスーパーの売る事の出来なくなった品物をちづるに渡した。
形の悪い野菜。
凹みのある缶詰め。
ペットボトル。
ちづるはニコニコして
『こっちのが嬉しいよ。』と、受け取った。
タクミは、『お金のが、好きな物を買えるのに。』
と思ったが、受け取ってくれる事に少しだけホッした。
一緒にいて、エッチをする度に、タクミは自分の中でちづるに対して愛しさが沸く事を実感する。
しかし、タクミには気になる事もあった。
それはちづるがエッチに対して、極端に閉鎖的だった。
喘ぎ声もなるべくださないようにしている。
タクミはきっと、徐々に慣れていく、と、思っていた。
予想外のちづるの反応がなんとなく、引っかかる。
ある日の事。
お互い下着姿になり、タクミはちづるに愛撫をしていた。
タクミはちづるを、焦らしに焦らしてみた。
「〜っ、ん、っ、はぁっ、ん、、」
ちづるの目が、タクミに何かを訴える。
「ちづちゃん、?
触ってほしい所あったら教えて、?」
「ん、、〜っ、〜っ、っ、、」
「、 、 、 」
タクミはちづるの反応を見ながら、愛撫を続ける。
クリを触った時に、明らかにちづるは反応した。
「ん、!ぁ、あ、、あ、」
「、ここ? 触ってほしかったの?」
ちづるは小さく頷く。
「、 俺しか、いないんだから、ちゃんと言って、?」
ちづるはまた、小さく頷く。
その時に頷いても、次のエッチにはまた元に戻っている。
触って。 が、言えない。
静かに、静かに過ごそうとしているのがタクミから見てもよく分かった。
学校の授業中。
タクミは考えていた。
『あたし、タクミ君に、、触ってほしくて、呼んだ、、』
前に、そう言ってたよな。
なんで本番始まっちゃうとそれ、言えないんだろー、、。
恥ずかしい、、
だけじゃないような気がする。
気持ちいいのが、悪い事って思ってるよーな、、。
まさか、これも小学生の時の事の影響じゃねーだろーなー、、、。
学校で、オナニーしちゃった事を先生は咎めた、、。
でも、ちづちゃんはオナニーそのものを悪い事、と、解釈した、、?
いや、、まさか な、、。
、 、 、 。
でも、そうだとしたら
先生ちょっと責任重大じゃん。
ってか、そう考えると俺、ちづちゃんに、オナニーさせたりオナ禁させたり。
今思うと、すげー事させた感が、、
ある な。
ちづちゃん的にはかなりハードな事、だったのか。
今さらだけど。
あ。
だから漏らしたり、、
鼻血出しちゃったり、したのか。
『変なとこ、ばっかり見られちゃうの、、嫌なんだもん、、、。』
、 、前にそう、言ってた。
今まで 、どんな恋愛、、
してきたんだろ、、。