〜 家庭科その2 〜-3
3つめに説明してくれた『アイロン』も、予想に違(たが)わない用途でした。 アイロン台に衣類を載せ、スチームで加熱・加湿しながら皺をとる道具です。
学園で使うアイロンは、普通のアイロンとは把手の外観が違っていました。 丸みを帯びた、直径15センチ、高さ30センチ程の円錐が把手に付いていて、凸凹した戸愚呂のようです。 で、アイロンを使う時は、両手を頭の後ろに組んで、下半身を円錐に押しつけます。 そのまま腰を下ろせる所まで下ろし、出来るだけ膣に呑み込みます。 お尻を踵につけるくらいまで姿勢を落し、体重をアイロンにかけながらヨチヨチあるけば、ヨレた衣類がピシッとなるそうです。
問題は2つあって、1つは温度だそうです。 高い温度にするには円錐を根本まで挿入しなくてはいけません。 円錐なので、下にいけばいくほど太くなりますよね。 円錐が温度をコントロールしていて、深く挿入すればするほど加熱する仕組みです。 上手にアイロンをかけるためには、だから、どうしても円錐の底まで股間を落さなくてはいけません。 普段から鍛えていても、やっぱり太いのは大変だし、底まで咥えれば円錐の先端が子宮に当たるのは避けられません。 学園のアイロンを目の前にして説明されれば、否が応にも、アイロンの厳しさが分かります。
もう1つの問題はスチームです。 アイロンから放出されるスチーム――基本的には水蒸気――は、咥えた円錐のすぐ後ろに排気口があります。 なので、普通に円錐を咥えると、スチームが肛門へ直に当たってしまうそうです。 いくら鍛えているといっても、身体の中で特に刺激に敏感なのがお尻の穴です。 だからアイロンをかけるときは、お尻の穴というよりは、太腿の筋肉をキュッと締めます。 少しでも尻たぶを窄めて、お尻に水蒸気が当たらないよう守るんです。 それにしたって肌に蒸気が直撃するわけですから、物凄く熱いには変わりないんですが……。
そういうわけで、私たちがアイロンをかけるときは、誰もが背筋をピンと伸ばして膣の奥を拡げながら、水平に開いた足に力を込めてお尻を締めるという、美しい(?)姿勢になるといいます。 学園でアイロンをかけるということは、服を整える以上に『姿勢を整える』意味があるんだと、先輩から教わりました。
……頷いてはいますけど、心の中はモヤモヤが止まりません。 なにが『姿勢を整える』ため、なんでしょうね? 先輩方には感謝していますが、学園の根っこに共感しているわけじゃありません。 モノは言いようとはいえ、正直いって、学園の言い分なんてクソくらえって感じです。 神妙そうにしつつ、内心でそんな風に思いながら、私は先輩方の話を聞いていました。 あ、もちろん実際に口には出しませんし、出せやしません。
……。