後ろ姿-1
ちづるが言う。
「じゃあ、テスト頑張ってね。」
「うん。」
ちづるはバイバイと手を振ると勤め先の方面へ向かった。
タクミはその後ろ姿を眺めている。
眺めていると、、。
シッポが はえた。
首輪もして、長いリードがタクミの手まで伸びている。
タクミはぼんやりその姿を眺めながら、
今までちづるが言っていた言葉を思い出す。
『あたし、タクミ君に、、
さ、、触ってほしくて、呼んだ、、』
この状況にピッタリなセリフだなー
犬 、 、 。
『っ、漏らし、、ちゃった事、、
誰にも、言わないで、、、』
誰にも、言わないで、、か。
初めて聞いた時は何ガキ臭い事言ってるの? って思ったけど。
今は、、。
んー、、、
なんつーんだ? これ、、
「萌ぇー、、、 ってやつ?」
、 、 、やっぱり誰かに言っちゃうぞーって言って、
苛めようかな。
また震えて涙目になるな、きっと。
あ たのしそー、 、 、 。
ん 、?
やっぱり俺、 、
「リーダー君と同じだゎ、、。」
そのあとタクミは、「でも俺は、単独で、、、」
などブツブツと独り言を言いながら、
学校に向かった。