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プラネタリウム
【ラブコメ 官能小説】

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N.-5

2連休で良かったと心の底から思った。
翌朝目を覚ました時、湊が自分の布団で寝ていた。
左腕は陽向を抱き、右手はお腹に触れていた。
自然と笑みが零れる。

湊が目を覚ましたのは12時。
今日は15時から仕込みで17時からオープンらしい。
遅めの朝食兼昼食を摂る。
湊が作ってくれたカルボナーラうどんを食べる間も、湊はニヤニヤしていた。
「なに笑ってんの」
「こいつの名前考えてた」
湊は陽向の隣に座り、お腹をさすった。
なんだか、まだ実感がわかない。
けど、少しだけポッコリしたお腹を見て事実なのだと確信する。
陽向もゆっくりお腹をさすった。
「名前何がいいかねー?つーか産まれる日とか分かるの?」
「昨日聞いたら、3月9日辺りって言われた」
「3月ねぇ……9日っつったらもう春寄りだよな」
「そーだね」
「何がいいかなー…」
湊はニヤニヤした。
「かわいい子が産まれてくんだろーなー」
「その根拠なによ」
「だって」
湊は陽向のほっぺたをぎゅっとつまんだ。
「いたい」
「かわいいもん、お前」
一瞬にして身体が熱くなる。
そんなこと、ストレートに言われたことなかったのに…今まで一度も。
「そ……そーゆー冗談いらないから」
「はは。嘘だと思うじゃん?」
「どーせ『うっそー!すぐ赤くなるー!』とか言うんでしょ?!」
「正解!」
「うざ!」
陽向は湊を蹴飛ばして「あっち行ってよ」と言った。
ゲラゲラ笑う湊はさらりと陽向を後ろから抱きしめて「ばーか。……じゃあ本当のこと言っていい?」と囁いた。
最近ではないこのシチュエーションにドキドキする。
右のおでこあたりに湊の頬が触れる。
「一目惚れだった」
「……」
「あの日。体育館で会った時……覚えてる?」
「へ?」
大学1年生の頃にあった体育の授業。
テニス、ソフトボール、バスケの中から選ばなくてはいけなかったので、陽向はバスケを選んだ。
唯一出来るものだと思ったから。
そこに湊もいたのだ。
話し掛けられて、とんでもなく嫌な奴だったことしか記憶にない。
「なんか、あんまいい思い出ない」
陽向はクスクス笑った。
「失礼な奴だな」
2人で昔話をする。
懐かしかったあの頃。
湊はずっとあたしのことを好きでいてくれたんだ。
その気持ちに気付くのはずっと先だったけど。
それでも今、こうしていられるのなら、幸せなら、それでいい。

「じゃー、行ってくっから」
「うん、気を付けて」
陽向が手を振ると、湊はお腹をさすって陽向にキスをした。
「なんかあったらすぐ連絡しろな」
「なんもないよ」
「万が一ってのがあんだろ」
「湊ってそんな心配性だったっけ?!」
「うるせ!」
片手で両方のほっぺたをグッとやられる。
「大丈夫だよ。なんかあったらちゃんと連絡するから」
湊を見送り、片付けを始める。
食器が増えるのかとか、服とかおもちゃとか買わなきゃとか、いろんな事を考えてしまう。
そして、仕事どうしよう、バンドどうしよう、誰に相談しよう……。
考えても考え切れない問題がたくさん浮上してくる。
気付いたら、楓に電話していた。


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