秋山親子の奮戦-2
「では、どうしても…ワシの命令に従う気はないのじゃな?」
「おう。俺に言うことを聞かせたかったら力づくでこい」
「仕方ないわえ。おい陳。この生意気な男を懲らしめてやりなさい」
「わかったアルね。フフフ。ワタシ、一度この男と戦いたいと思ってたアルヨ!!」
寿伯の言葉に応えてぐっと前に進み出た陳は、腰からヌンチャクを取り出した。
ヒュン、ヒュン、ヒュン、ヒュン!!!
目にも止まらぬ速さでヌンチャクを振り回した陳は脇の下でビシッと止めて奇声を上げる。
「ほわちゃ〜!!」
「ほほう。なかなかに面白い大道芸だな。俺も退屈していたところだ。ひとつ死合ってみるか?」
弦斎は立てかけてあった手槍を取ると立ち上がった。
じり…。じり…。
睨み合った二人がじわじわと距離を縮めていく。その間に立ち上るのは凄まじい殺気だ。
その光景に寿伯も我を忘れて見入っていた。
「…………………」
今にも二人が切り結ぼうとした、その時であった。
「うぎゃああああっっ!!」
奥の座敷から男の悲鳴が上がった。
弦斎が急いで駆けつけてみると、浪人が首筋から血を流して苦しんでいる。
その側には、脇差を構えた血まみれのお京が立っていた。
浪人が用心のため手元に置いておいた脇差を奪い取ったのだ。
「はぁ…はぁ…。お嬢さんは何処だ!! 何処にいる!!」
「弦斎殿! こやつ、わしが少々目を離した隙に…刀を!」
「女と思って甘く見たな! 馬鹿者めっ!」
弦斎は重右衛門を叱責すると手槍を構えた。
「おい女。我らが仲間を傷つけたな? この礼は高くつくぞ…!!」
そう言うが早いか、弦斎は鋭い突きを繰り出す。
犯され続けて体力を消耗したお京は足元がふらついている。
槍を受けきれず、たじたじとなったお京は後ろに倒れた。
すかさず槍を返した弦斎がお京の腹に石突き(槍の柄の反対側の部分)を突き立てた。
どすっ!!
「うげえぇぇっ!!」
お京は口から胃液を飛び散らせ、あえなく失神した。
後からやってきた寿伯と陳。弦斎は振り向いて言った。
「寿伯殿。これから面白い見世物をお目にかけよう。女岡っ引きの仕置(処刑)だ!」
秋山道場に豆岩が担ぎ込まれたのは、昼八ツ(午後2時頃)であった。
孫六と女房の介抱で意識を取り戻した豆岩を大八車に乗せ、近隣の百姓たちが押してきたのだ。
百姓たちの来訪に驚きながらも藤兵衛と大二郎が出迎えた。
二人とも既にいつでも出立できるよう、鉢巻にたすき掛けし、袴の股立を取った姿である。
「おお、岩松!! 一体どうしたのじゃ!! 今まで何しておった?!」
頭に包帯を巻いた豆岩は、藤兵衛の前で土下座する。
「ご隠居様! 申し訳ありません! 実は…」
豆岩は怪しい浪人の後をつけて隠れ家を発見したことなど、前夜の経緯をかいつまんで話した。
「むむ。これはもう一刻の猶予もならん!! 椿殿ばかりでなく、お京の身も心配じゃ! 大二郎、早駕籠を呼ぶのじゃ!!」
「はいっ!!」
藤兵衛と大二郎は遂に立ち上がった。
一方、お京の最期の時は刻々と近づいていた。
「おらっ!! 起きろっ!!」
ばしゃああっ!!
浪人にが桶の水をぶっかける。
「う、うう…」
お京はようやく意識を取り戻した。
浪人たちと寿伯がお京をぐるりと取り囲んだ。
気を失っている間に庭に引き出され、両脚を高く大きく広げた形で固定されている。
足首を縛る縄が背中の後ろの杭にくくりつけられており、両腕は後ろ手に縛り上げられ、激しく食い込む荒縄が乳房をくびり出している。
「ふふ…。これからお前を処刑する。ただし、楽には殺さぬから覚悟せい!!」
不敵に笑う弦斎は懐からお京の十手を取り出した。
「まずは自分の得物をとくと味わうがよい」
「…ひっ!!」
ずぶぶっ!! 十手の先端がお京の秘所にめり込んだ。
「ひぎゃああああああっっ!!!」
ぐりっ! ぐりっ!
金属の棒で膣内を突き、えぐり回される痛みにお京は絶叫した。
「どうじゃ! 今まで己が下手人にくらわしてきた得物の味は? なかなか良いものであろう?!」
ずこっ!!
十手の先端が子宮口を貫き、子宮底にまで達する。
ずこん!! ずこんっ!!
弦斎はさらに情け容赦なく突きまくる。
肉竿ならまだしも、子袋を突き破らんばかりに金属の棒を突き入れらるのは地獄の苦しみである。
白目を剥いて悶絶したお京の口からはぽこ、ぽこ、と泡がこぼれた。
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」
ぶりぶり…っ。
腫れ上がった肛門がぷっくりと膨れ、奥からもこもこと茶色い塊が顔を出す。
あまりに激しい痛みを加えられ続けると、人体は身体中の穴が緩み、時に糞便が漏れ出すのだ。
これを『せつな糞』という。
「おお、臭い!! こいつめ、糞を漏らしおった!!」
「だらしのない奴め!!」
「尻の穴もさんざん突かれたから、さぞかし緩んでおるのだろう」
「よく見ろ、我らが出した精水が混じっておるぞ!! 半分白い糞じゃ!!」
「わはははははは!!」
「う、ううう…」
お京は既に半死半生の体である。
弦斎たちは死の間際まで徹底的に辱め、恥辱にまみれた惨めな死を与えるつもりなのだ。
…ずぽっ。
弦斎が十手を引き抜くと、その先端は血で濡れ光っていた。
「ふふふ…。ちとやり過ぎたかな? だが、本当の仕置はもっと酷いぞ。お前は女に生まれたことを恨み、悔やみながら死んでゆくのだ!」
高らかに処刑宣告を行う弦斎。
この男は女を狂うほど責めさいなみ、断末魔の喘ぎ声を上げる瞬間、最高の射精を迎えるのだ。
つまりは真性の加虐性愛者。寿伯と同じ種類の人間だ…ということである。
この二人がつるむのも、同じ変態の血が呼び合ったのであろう。