檻からの解放-7
絵茉が病院へ念のため搬送された頃、一馬と組長は次の手を打つ。
絵茉を児童施設に送り込む計画を実行したのだ。それも容易かった。絵茉の祖父、絵茉の叔母家族に多額の現金を見せつけて、絵茉を引き取らないように手を回した。見たこともない信じられない金額の札束を手にして、彼らは一馬の誘いに乗ってしまった。
その際彼は抜かりなく暴力団の数人と彼らを訪ね、もし金を受け取ったことを誰かに言ったら、その時は命の保証はないと脅すのも、忘れなかった。
一馬の計画通りに、全てはうまくいった。