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呪縛の檻
【その他 官能小説】

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檻からの解放-10

 春花は急いでその部屋を出ると、来た道とは反対側にも階段があることに気がついた。彼女は恐る恐る階段を昇る。どこに続いているのだろう?不安な気持ちで階段を昇ると、そこは2階の使っていない物置部屋だった。

彼女はすぐに書斎へ戻り、秘密の扉を閉め何事もなかったように元の通りにした。しかし彼女は震えが止まらなかった。

絵茉が来てからだ。絵茉を引き取って数年後から一馬さんは私に触れなくなった!春花はそう気がついた。外に女がいたんじゃない。絵茉が夫に手を出していたんだ!!
 春花はそう気がつくと確信を得るために毎晩、絵茉がいつ一馬の元へ行くのかと彼女の行動をチェックしていた。しかし、絵茉を見張っていても一向に地下室へ行く素振りも見せなければ、書斎へも行く様子はない。

思い過ごしだろうか・・・?そう思った次の日。ついに春花は絵茉が物置部屋にこっそりと入って行く様子を見てしまった。春花は寝室で一人、声を殺しながら泣いた。
許さない、一馬さんを誑かした絵茉を許さない!!お金がなくて心中した一家の生き残りのくせに、養い子のくせに、化けの皮を剥がしてやる!!

春花は笑顔の裏に狂気の想いを隠しながら生活していた。


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