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呪縛の檻
【その他 官能小説】

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消された記憶-2

 目的地へ着くと、まずは絵茉たち一年生から登り始めた。秀慈たち三年生は一番最後であった。ここで絵茉と接触を取るのは難しく、山頂へ着くまで秀慈は何もできないだろうと考えていた。

絵茉は黙々と山道を登る。絵茉も秀慈に伝えたいことがあった。もう自分を庇わなくていい。秀慈は、彼だけは栄光ある人生を歩んで欲しいと一言伝えたかったのだ。
しかし彼女の背後には常に彼女の担任が目を光らせていた。絵茉が少し歩く速度を緩めると、彼もまた歩幅を調節する。絵茉は休憩を取る振りをしようと、立ち止まって大きな岩場に腰を掛けてみた。すると彼女の担任が絵茉に近寄ってきた。

「五十嵐、疲れたのか?」

「はい、ちょっと。でもクラスのみんなとはぐれないようにしますから、先生は先に行っていてください。」

「いや、先生も疲れたから少し休もうかな?」

担任は意地でも絵茉から離れないつもりらしい。校長に命令されているのだろう。絵茉は仕方ない、山頂で生徒たちが昼ご飯を食べ始める時に秀慈を急いで探してみよう。そう思い、再び歩き出そうとした時、クラスメイトが血相を変えて担任に近づいてきた。

「先生!!前原さんが足首をひねってしまって、これ以上動けないそうです!ちょっと来てもらえませんか?」

担任は絵茉の顔をチラッと見てから、すぐに怪我をした生徒の元へ行ってしまった。
絵茉はチャンスとばかりに、この隙に秀慈達三年生がいるであろう場所までこっそりと引き返し始めた。


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