暴かれる真実-1
絵茉が父に連れ去られた後、秀慈は着替えて屋敷を出た。
父、一馬の部屋から声か物音が何やら聞こえてきたが、彼は足を止めずに突き進んだ。
屋敷を出てすぐに秀慈は歩きながら電話を掛けた。
今彼が頼れる相手は只一人、東条だった。
ワンコールで東条は応対した。
「もしもし。」
東条の声を聞いて秀慈は泣き出してしまった。
「秀慈君?・・・今どこだ?!」
秀慈は途切れ途切れに、屋敷を出たところだと言った。
「今そっちに向かうからな、ちょっと待っててくれ!でも君の家の前はまずいから、・・・君の家の近くにでかい公園があるだろう?そのそばの駐車場を探すから、公園で待っててくれ!!着いたら連絡する!」
東条はそう言うとすぐに電話を切った。