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呪縛の檻
【その他 官能小説】

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謎の男-2

 秀慈は自分の父と一緒に帰った絵茉の事が心配で急いで教室を出ようとすると、彼と一緒に帰ろうとする女子生徒に囲まれてしまった。

「ごめんね、急いでいるから通して!」

 自分にラブレターや連絡先を渡そうとする少女たちをかき分けるようにして、秀慈は校門へと駆け出す。もし自分が家に着いても絵茉が帰ってきていなかったら、きっと一馬に連れ回されてしまっている。彼女は今朝倒れたのに、あの人ならきっと絵茉の体調なんてお構いなしに彼女に迫っているに違いない!

 焦燥感が秀慈を襲う。
鉄格子に囲まれた校門を出、走りながら地下鉄の駅に続く道の角を曲がると、秀慈は一人の怪しげな男に声かけられた。

「すいません、雨宮秀慈くんだよね?」

秀慈はとっさに警戒しながら振り返る。身代金目的で誘拐されることもあり得ると思ったが、人通りの多いこの道では大丈夫だと思い足を止め、男の顔を見た。

「おじさんは誰です?先に名乗っていただけませんか?」

「ああ、ごめんごめん。俺は東条っていうんだ。五十嵐絵茉ちゃんを探しているんだけど、もう家に帰っちゃったかな?」

「――絵茉?」

 秀慈は怪しむように東条と名乗る男を見た。彼はぼさぼさの頭にヨレヨレの服を着ていて、身なりが汚らしかった。分厚いレンズのメガネをかけていて、いかにも普通じゃない雰囲気を醸し出している。秀慈はとっさに、絵茉のような美少女の写真を撮らせてほしいだの言ってくる男か?と勘繰る。


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