侵蝕の楔-1
形容し難い淫靡な音が、恵利子の心と身体を蝕みはじめようとしていた。
ゆっくりとだが長いストローク、まるで刀身を研ぎ澄ますような精児の腰使い。
繰り返し繰り返されるほどに、恵利子の憂いは増して行く。
そして憂う心とは裏腹に、悩ましい想いが男との接点から侵蝕してくるのである。
それはかつて見知らぬ男によって強いられ、刻み込まれ続けた畏れにも似た忌むべき記憶と言えた。
「っやぁ ぃっ ぃっい ゃあぁぁ 」
眉を寄せ苦悶の表情を浮かべるも注ぎ込まれ続ける悦びに、繊細な黒髪が抗い切れず力なく揺れる。
「嫌? 嫌だって!? こんなにしといて、今更嫌もねえもんだ。おいっ、恵利子! いったい俺は、どちらの口を信じれば良いんだ?」
行為の中断など全く意に無い精児は卑下た言葉で、己の所有権を誇示するが如く大きく押し拡げられた二枚貝に指先を這わし嘲る。
咥え込ませた陰茎は絡み付く想いそのままに、貧欲な脹らみをみせ膣内壁との摩擦を大きく増し責め立てる。
「ぁぁああっ ぁぁぁ」
僅かに残された清廉さえ削り取る淫猥な腰使いは、抗う恵利子に嬌声に似た嗚咽さえ漏らさせる。
そして身悶えるよう恵利子の背が弓なりに撓ると、精児の昂りは頂点を極めその想いの丈さえ吐露させるのである。
「えっ えりこぉぅ、お前が他の男に抱かれていると知った時、俺がどんな想いでいたか解るか? 狂ってしまいたいと思える程に嫉妬したぜ。俺はお前をっ おれはっ 俺はずっと前から…… 恵利子のことをっ」
弓なりに反った恵利子の背に精児の両腕が回り込むと、抱きすくめるよう担ぎ上げ対面座位に似た体勢を創り互いの身体を密着させる。
望まぬも自らの質量で、より深くへ陰茎を受け入れるしかなかった。
姿勢を支えられるよう背に回された左腕と、奉仕を強いられるよう腰部にあてがわれた右腕が、まるで恵利子をマリオネットのように操る。
恋い焦がれた対象から得られる底知れぬ悦びに、精児の息遣いは大きく乱れはじめ陰茎は狂おしい程に滾り昂る。
「ぇえっ えりこ えりこぉ ぅっ 受容れっ ぅるんだ」
精児は呻くよう己の願望を口にする。
強く突き上げられながら、恵利子は不意に我にかえった。
まるで高熱にうなされた時のように、身体が火照りしっとりと汗ばんでいる。
滲んだ汗は嫌でも男との密着度を実感させ、よりいっそう恵利子の羞恥心を煽り立てる。
「ぃいゃぁ、やめて、お願い」
長い髪を左右に大きく揺らし拒絶の意思を示すも、精児が応じる訳も無く繋がり合う下腹部での蠢動が淫猥さを増して行く。
そして膣深く陰茎を咥え込まされている現実を、その先端で繰り返し子宮をノックされる事で思い知らされる。
頭では男の両腕を振りほどこうと思うも、身体には別の意思でもあるかのように逃れる事が出来ない。
(おかしくなってる。あのひと【千章流行】の時と同じように…… 私の身体がおかしく、おかしくなってきている)
恵利子の意思とは無関係に、太腿つけ根の二枚貝は膨らみを増し熱に包まれていく。
吐き気をもよおす程の嫌悪の対象…… 猥褻行為を強いられ、高校受験失敗の元凶となった男。
いやっ、それだけではない!
千章流行と言う男の姦計に絡め捕られ処女を奪われ、その後も継続的な肉体関係を強いられ続けたのも、元はと言えばこの男の卑劣極まりない行為が端を発している。
……にも関わらず、この男は千章と自分との関係に嫉妬している。
それどころか、恋愛感情にも似た想いを吐露してきたのである。
(馬鹿げている。狂っている)
恵利子には理解する事など出来なかった。
大きく歳の離れた男が自らの娘のような少女を犯し、想いすら寄せていると言うのだ。
真面な神経とは到底思えないのである。
「えっ えりこっ 恵利子 恵利子ぉ 恵利子ぉぅっ」
恍惚とした表情でうわ言の様に、自身の名を呟く男の声が現実世界に恵利子を引き戻す。
深く繋がり合った中心、陰茎がビクビクと震えるように痙攣している。
男はまるでしがみ付く様に、身体を密着させてくる。
同時にそれと分かる程夥しい量の体液が、陰茎先端より吐出し避妊具の脹らみをはっきり感じさせる。
(これが…… これがっ この男の自分に対する想い? )
恵利子は以前、千章が口にした言葉を想い起すのであった。
《女子高生計画レイプ second story》
磯崎恵利子 16歳の受容 platinum girl
終了
(仮)磯崎恵利子 Last rape
へ つづく
※次ページよりの【欺瞞・追憶編】は、(仮)磯崎恵利子 Last rape の試作版です。
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