〜 数学・統計 〜-1
〜 ３３番の数学・統計 〜
１７号教官と過ごす教室では、私たちが感情レベルでしていたような些末な出来事が立派な教材に生まれ変わる。 数理統計学、ベイズ統計その他諸々の方法でデータを分析し、結論をだす訓練を積むと、無意味に見えた数字が論証の武器になる。 統計が最強の学問かどうかはさて置き、統計処理が説得力をもつことは認めざるを得ない。
私達が取り組んだデータ処理の一端には、次のような例があります。
……。
『電動マッサージ機による振動で絶頂するまでの時間を調べる実験を行った。 電動マッサージ機は、別名『電マ』とも呼ばれるものである。 振動数を１０Ｈｚ、２０Ｈｚ、３０Ｈｚとしたものについて、それぞれ１０回ずつアナルマスターベーションで絶頂に達するまでの時間を測定した。
次のデータは１０Ｈｚの場合である。
【 １分３０秒 、 １分４８秒 、 １分５０秒 …… 】
このデータについて箱ひげ図を作成し、中央値と平均値の大小関係を求めよ』
データそのものは、私達が事前に用意した実測値だ。 他にも『浣腸量』と『肛門直径』の相関など、自分自身の実測値を用いて統計の基礎を学習した。 幾つものデータ計算を同時並行で行うのは、訓練を積んでも容易にはいかない。 １０を計算する間に１を忘れ、１を再度求める間に３が抜けるという具合だ。
……。
『次の表は幼年学校卒業時の牝生徒について、勃起時のクリトリス長と膣色素沈着率の度数分布表だ。 なお膣色素沈着率は小数第２位を四捨五入することによる丸め誤差が存在する。
【 クリトリス長５ｍｍ未満 生徒数２４８９２２人 膣色素沈着率１４％ …… 】
このデータについて得られるローレンツ曲線を記せ』
与えられた方眼紙にグラフを再現するためには、グラフのマス目の１／１０まで数値を求める必要がある。 データを丸めることは出来ても、丸められたデータを復元するのは至難の技だ。 それでも私達は自分の身体を電卓替わりにして、何十桁という計算を繰り返した。
……。
『次の表はある牝便所における１日の排泄汚物量の集計結果（５０日）だ。 排泄汚物量がポアソン分布に従うとき、データの平均値をもとにパラメータを推定し、適合度検定を判断せよ。
【 排泄汚物量１０キロ未満：５日 １０キロ以上１５キロ未満：７日 …… 】
自分たちがウンコ製造機という事実を再認識するには、実際のデータを示せばよい。 食事に要した量が排泄量とほぼ同じ現実を知、排泄量がポアンソン分布に従うのだから、私達は生命というより機械の類だ。
……。
『あるスポーツチームにおける牝の身長は平均が１５９ｃｍ、分散が９の２乗の正規分布に従う。この母集団から１６人の牝を無作為に抽出するとして、１６人の標本平均について期待値と分散をそれぞれ求めよ』
データ処理において『分散』は必須だ。 分散値を小さくしなければ統計データとして認められないため、データ数は最低でも２０、出来れば５０以上が望ましい。