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例えばこんなカリキュラム
【二次創作 官能小説】

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〜 数学・統計 〜-2

 ……。

『ある家畜仲買で販売されている牝家畜の説明には、体重平均46kg、母乳生産量4kg、標準偏差400gと表記されている。 ある牝家畜について『体重が44kgで、母乳が3.8kgだった。 この牝の母乳産出量は少なすぎる』というクレームが入った。

 @ 無作為に牝を100体調査したとき、標準偏差が400gとして、母乳生産量が3.8kgを下回る個体は何%存在するか。

 A 無作為に牝を100体調査したとき、体重が46kg以下になる個体は何%存在するか』

 母乳生産にも基準があり、満たさない個体は数学的に怠慢とみなされる。 こういった基準にはデータを統計した結果が用いられており、闇雲に決められた数値では決してない。 つまり、私たちに課せられるノルマ=数値目標も、根拠となるデータはどこかにある。 この講義を学習したことにより、元データさえ与えられれば、私たちは自分に課すべきノルマを設定できるようになるだろう。

 ……。

『有色牝と白色牝について、ある部位の長さを測定した。 次の表はその平均値と分散を示す。 

【 右乳首 平均:1.6cm 勃起時:3.0cm 分散:0.11 
  左乳首 平均:2.0cm 勃起時:3.1cm 分散:0.12 ・・・有色牝

  右乳首 平均:1.5cm 勃起時:3.0cm 分散:0.20
  左乳首 平均:1.4cm 勃起時:3.0cm 分散:0.19 ・・・白色牝】

 このデータにより左右の乳首の長さに差があるといえるかどうか、検証せよ。 箱ひげ図を活用し、自分自身で求めてみよう。 t統計量の値は『−1.2』なので、帰無仮説は棄却される。 

 日常的些細な出来事も、統計学というフィルタを通せば偶然か必然か判断がつく。 私達の身体が本質的に恥ずかしい構造であり、各部位の大きさがみっともないサイズに当てはまり、だらしなく伸びる傾向にあること。 数字を前にすれば一目瞭然だ。

 ……。

『ある学園の生徒について『年齢・マスターベーションに費やした時間・マスターベーションの目的・マスターベーションの題材』をアンケートした。 以下の表に100名の全回答を表示する。
 この100人のマスターベーション時間の分散を計算したところ、420だった。 マスターベーション時間は正規分布に従うと仮定すれば、95%信頼区間はどうなるか式で表せ。

 全数調査データは処理が一際難しい。 一度脳内でデータを整理する必要があるため、暗記と処理を同時にこなさなくてはならない。 データがびっしり並んだ用紙を見つめながら思考計算に取り組んでいると、データの項目である『マスターベーションの時間・目的・題材』が馬鹿げていることを、束の間失念しそうになる。

 ……。

 統計の時間を通じて学んだことは沢山ある。 そのうち最も大きなものが『普段の学園生活を通じて記録されたデータは、目的をもって記録された』のを知ったことだ。 自慰で達するまでに乳首をしごいた回数や、舌でセルフクンニする舌速度など、様々な行為が学園では数値化されてきた。 てっきり無目的に記録していると思っていたが、とんでもない。 私達の卑しさ、愚かさ、生き物としての下品さを証明するために、各種データが活躍している。 統計学を通じて数字でもって示された場合、いくら自分達がまともだと主張しようとも、簡単に論旨が覆される。 

 根本的に、なぜこれらのデータが私たちの下劣さを示すかは、実は私にはよく分からない。 けれども、

『膣壁の粒起がGスポット付近に偏重する帰無仮説が、有意水準5%で証明できる』
『絶頂回数と頻度が自由度49のt分布の上位2.5%に属し、期待度数が有意に異なる』
『肛門の皺数と伸縮頻度の相関が、標準偏差3.5の範囲内に全ておさまる』

 といった結論を100個、200個と眺めるうちに、これはどうしたって私たちが変態なんだ、劣等で羞恥で存在自体が破廉恥なんだと確信できる。 少なくとも乳首や膣、オケツの穴を詳細に分析するにつけ、自分が恥ずかしい存在な事実を否定する気は雲散霧消していった。


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