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例えばこんなカリキュラム
【二次創作 官能小説】

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〜 数学・論理 〜-1

〜 33番の数学・論理 〜



 論理、証明、帰納、対偶……数学が内臓する論理システムは、他者との共感を抜きにした相互理解を構築できる。 換言すれば、数学的な事実は、誰が何と謂おうとも事実だ。

 論理学は、2000年以上昔からあった。 古代ギリシャのアリストテレスを代表に、数多の殿方が構築してきた。 そこに数学的要素を加えたG・ライプニッツにより発展し、D・ヒルベルトらにより纏められた記号論理学とでも呼ぶべき体系が、現代論理学の姿といえよう。 ∧(かつ)、∨(または)、→(ならば)、¬(でない)、といった記号を用いた論理式で、各種命題は表現される。 述語論理を用いれば更に複雑な状況も論理化でき、∀(全称量化子)・ヨ(特称量化子)を用いた論理は二進法との相性の良さから、広く電子世界に普及した。

 例えば『○は優秀である』という述語を『Smart(○)』、『○は劣等なものを支配するものである』という述語を『Control(○)』と表せば、『殿方は劣等なものを支配する』という論理は、以下の3つの論理式で、1、2から3を導く推論として記号化できる。
 
 1:∀○(Smart(○)→Control(○)
 2:Smart(殿方)
 3:Control(殿方)

 17号教官が板書する例題を活用し、私たちは幾つもの命題を記号化した。 基本的には記号でもって論を進め、進め方が分かったところで『現実の諸問題』を数式化する形で授業は進む。

 『論理式』には弱点がある。 あまりにも記号が増えすぎるため、図形や数字を伴う事象の証明には向いていない。 また、論理式を作ったところで、最終的に式を証明する技術がなくては何にもならない。 ゆえに私達は、常に頭の片隅で『論理式』を作りながら、それらを解決するべく論理的テクニックを平行して習得する。 いくつか学んだテクニックのうち、一部は幼年学校時代に学んだ数学的テクニックであり、一部は学園で初見の方法だった。

 『対偶法』――命題P→命題Qを証明する代わりに、¬命題Q→¬命題Pを証明する。 

 『背理法』――命題P→命題Qを証明する代わりに、命題P∧¬命題Qという仮定された論理に矛盾を見つけ、論理の破たんを証明する。

 『転換法』――すべての状況がA・B・Cのいずれかに分類でき、X・Y・Zが独立な場合を想定する。 仮に『A→X』『B→Y』『C→Z』が証明できれば、これらの逆『X→A』『Y→B』『Z→C』も成立する。

 『箱入れ論法』――『n+1』個以上のボールが『n』個の箱のいずれかに入っているとき、少なくとも1つの箱には2個以上のボールが入っている。

 『帰納法』――任意の自然数kに対し『P(k)が成立するならばP(k+1)が成立する』ことを証明し、続いて『P(1)が成立する』ことを証明すれば、 自然数に関する命題P(n)が、すべての自然数に対して成立することを証明できる。

 『反例』――命題P→命題Qが『F(偽。False)』と証明するには、命題P→¬命題Qとなる例を挙げればよい。

 『否定』――¬(¬命題P)がFと証明できれば、命題Pは『T(真。True)』となる。

 『帰納法』や『背理法』は幼年学校で苦労して学習していたので、すんなり頭に入った。 一方『転換法』や『箱入れ論法』は、慣れない上に厄介な代物だった。 それでも17号教官が与えてくれる例をたよりに、どうにか使えるようにはなった。


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