深まる謎-4
「………………」
お夏はしばらくもじもじしていたが、やがておずおずと口を開いた。
「…あい。旦那様の…お、御珍棒を…。おらの…おらの…わ、割れ目に…入れて欲しいだ…」
消え入りそうな声で答えるお夏を愛おしく思う藤兵衛であった。
「ようし、よく言えた。可愛い子じゃのう」
藤兵衛は下帯をずらしてたぎった己の竿を取り出した。
長さ・太さともに並だが、長年使い込まれた黒光りする逸物である。
「今、お前が欲しがっているものをくれてやるぞ…」
ずぶぶぶぶっ。
「ひああああああああっっっ!!!」
すっかり感じやすくなっていたお夏は亀頭をくわえ込んだだけで軽く逝った。
その秘所は既に十分にこなれており、熱くドロドロになった淫肉が藤兵衛を締め付ける。
「それそれ、ここか? ここがいいのかお夏よ?」
ずぷっ! ずぷっ! ずぷっ! ずぷっ!
藤兵衛が若者にはない巧みな腰使いで蜜壷を突きまくる。様々な角度から浅く突いてはじらし、時に奥まで深く貫いて感じさせる。俗に言う『九浅一深』である。
「そこっ! そこっ! 先生!! ぎもちいいい!! ぎもぢいいだぁ〜〜〜!!!」
「そうか? ここか! ここがいいのじゃな!! ほれ、もっと突いてやるぞ!!」
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"〜〜〜〜〜!!!」
感極まったお夏は号泣した。
「ほれ! ほれ! どうじゃ! ん?」
じゅぽんっ! じゅぽんっ! じゅぽんっ! じゅぽんっ!
藤兵衛の腰の動きがさらに激しくなった。
「ひいいっ!! ひいいいいいいいいっ!!!!」
啼き悶えるお夏は必死でしがみつき、腰使いに動きを合わせた。
両脚は藤兵衛の腰の後ろでがっちりと組まれており、沸き起こる快楽を貪っている。
この半年の愛撫で、お夏の身体はすっかり開発されているのだ。
(うううっ! ワシも…そろそろ出そうじゃ!)
熱く潤んだ蜜壷のたまらない感触に藤兵衛も絶頂が近づいていた。
「出すぞっ! 出すぞっ! 今日こそワシの子を孕めよ!」
「うんっ! うんっ! 出して! おらの中に一杯、一杯出してけろ〜!!」
「うううっ!!!」
「ひゃあああああああああんっっっ!!!」
どぷっ! どぷどぷ…っ!! びしゃびしゃびしゃっ!!
身体の奥を貫く熱い子種汁の感触を感じながらお夏は逝った。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
二人は繋がったままで快感の余韻に浸っている。
(この娘…。普段はおっとりしておるがこっちの方はなかなか覚えが良いわえ。今に相手するのがきつくなろうよ…)
藤兵衛はぼんやりとそんなことを考えていた。
一方、四谷左門町にある住まいに戻ったかんざしお京は…。
「お父っつぁん、ただいま。お腹減っただろ? すぐ夕飯にするからね」
ガラガラと引き戸を開けて草履を脱ぐと、お京は足を洗い始める。
六畳二間と土間兼台所からなる、御用聞きにしては簡素な住まいである。
奥の座敷では仏の長兵衛が布団の上で横になっている。
長兵衛は十五年前に流行病で妻を亡くし、男手一つでお京を育ててきた。
この男は捕物の腕はたしかだが元来酒癖が悪く深酒の性質で、五年前から身体を壊して寝込むようになってしまった。
今はお京に跡目を譲って寝たり起きたりを繰り返している。
「お、お、お京か? 今日は随分と遅かったじゃねぇか?」
「秋山先生のところに呼ばれて話し込んじゃってねぇ…。今度はちょいと難しい捕物になりそうなんだよ」
「う、う、嘘だ!」
長兵衛は震える体を起こしながら叫んだ。
「秋山の旦那は深川界隈じゃ名の通った助平だから、お前にちょっかいを出してたんだろ! そうに決まってる! お前もまんざらじゃあるめぃ! 身体の利かねぇ俺を置いて出て行くんだろう!」
近頃の長兵衛は病のせいですっかり弱気になり、自分がいつかお京に見捨てられるのではないかと気が気ではないのだ。
「お父っつぁん、落ち着いとくれよ。そんなんじゃないったら…」
座敷に上がって長兵衛をなだめようとするお京。
「嘘だっ! 俺を騙すつもりなんだな? 腐っても鯛だ! お天道様はごまかせても仏の長兵衛の目はごまかせやしねえぞ!」
がばっ!
長兵衛はお京の下半身に抱きついた。
「お父っつぁん…」
「お、お、お前ぇは俺のもんだ! だ、誰にも渡しやしねぇっ!!」
長兵衛はお京の着物をぐっと捲り上げた。
お京の腰の周りには腰巻ではなくふんどしが巻かれている。
捕物で激しい立ち回りを演じることになるお京も、腰巻のようなすぐに解け落ちてしまう頼りない下着では心もとなく、男のように下帯を締めて気合を入れているのだ。
柄は粋な豆絞り柄。笹原椿のように余った布で前袋を作って腰の後ろに折り返すのではなく、斜めに折りたたんで前垂れにしている。
「あ、秋山の旦那とお前ぇがやったかやらねぇかは調べりゃすぐにわかるんだ!」
…にゅるっ。
ふんどしの脇をずらして、長兵衛の太い指がお京の秘所に潜り込んだ。
長い距離を歩いてきたので身体が火照っており、その内部はたしかに湿ってはいるが、男の精を受け止めた時のような潤み、柔らかさはない。入口の花びらも充血して大きく膨らんではいない。
くちゃ、くちゃ、くちゃ。
やがて長兵衛が指をせわしなく動かし始めると、悩ましい喘ぎ声と共に湿った音が響いた。
「あふうっ…」
お京は長兵衛の頭を抱きしめて、されるがままになっている。
「どうだい? あたしの御女子(おめこ)は? 秋山先生とはやってないってわかっただろ?」
「う、う、うううっ…。お京、お京…!」
長兵衛はお京の胸をはだけて胸に巻かれたさらしをずらすと、今度は乳房に吸い付いた。
ちゅうちゅうと無心で乳首を吸い上げる長兵衛。
その様子は我侭な駄々っ子が母親に甘えている姿そのものであった。