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悦びの種
【熟女/人妻 官能小説】

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第11話 真実への航路 -2

「ええ・・・それは校長室でお話をお伺いした時から、理解したつもりでいます。
ただ、契約セックスと言えでも、ある程度の男女間の意識も必要なのは、校長も御理解してると思います。恥ずかしながら、この様に今でも収まる事の出来ない状態を維持しなければ成立しません」

未だに、ズボンの上からでも分かる膨らみを指した言葉だが、それに背けるように、再び校長は、横を向いて視線を下げて背けた。
それでも、僕は真意を伝えるべくそのまま話を続けた。

「正直申しますと、契約セックスのお話を伺って、校長の事を意識し始めてから、僕に何かしらの感情が芽生えたのが本音でもあります。もしかすれば、教頭と同じよな気持ちに・・・・・・」

「まさか・・・本当に木本先生の様なお若い方が、私のような者に興味が御ありであったとおっしゃいたいのですか?。本当に、あの時の教頭は尋常ではありませんでした。ありとあらゆる恥辱的行為・・・私とも歳もさほど変わりませんから、決して許される事ではなくとも、どこか本能的になったのだと思われます。それが、木本先生の様なお若い方にまで・・・・・・」

校長は、悲痛な面持ちで身震いしながら、自分の両肩を抱いていた。

「ですから、それは違うんです。ただ、教頭と同じような気持ちになったと言うのは、契約セックス事項の決まり事で終わらせる空しさ・・・・・・。校長は、サラブレッドの種付け行為のようなものをお望みですが、教頭も同じ気持ちだったのでしょう・・・僕達は動物では無く、人として性的な本能もあります。教頭の場合は、想像も絶するような仕打ちだったのでしょう。でも・・・僕の場合は違うんです!!」

僕は思わず拳で、正座している布団を、悔しさあまりに叩いていた。
その様子を伺っていた校長は、驚きのあまりに目を見開き、動揺を隠せずにいた。
不穏だった空気は、お互いの主張がぶつかる中で、熱気を帯び始めた。

「木本先生、少し落ち着いてください。このようなお話を持ちかけた私にも非はありますから、決して木本先生一人を責めてるわけではありません。もし、何かしらの言い分が御ありでしたら、もう少し分かりやすいように説明してください」

校長はなだめる様に、僕の両肩に両手を添えて、見つめながら語りかけた。
ここまで来ると、本来ならば収集も付かない事態になりがちだが、校長の器の大きさ・・・むしろ、歳の差からくる母性本能が、まるで子供をなだめる様に映った。
その一連の行動は、僕に芽生える母性愛に、積み重ねていく形となっていた。
ますます惹かれる校長に対する想い・・・・・歯止めは利かなくなっていた。

「すみません・・・少し取り乱してしまいました。まずは、僕も何から説明させて良いのか分かりませんが、とりあえず校長室で『悦びの種』の事をお話させて頂いたのを覚えていますか?」

「ええ・・・もちろん覚えております。むしろ、感激すら覚えて、この日を待ち望んでおりました。木本先生が宿して下さった種で、私の永遠の喜びに繋がる掛け橋になるはずでした」

校長は、僕の両肩に添えた手を放すと、顔を俯き加減で、両手で自分の腹を摩っていた。
子供を身ごもりたい悲愁を、ジェスチャーしたのだろう。
僕をなだめる素振りを見せていても、心の奥底では攻め立てるほどに恨んでいたに違いない。
それでも、僕の言い分・・・校長に対する気持ちを伝える為にも続けた。

「それに関しては、本当に申し訳ございませんでした。ただ、校長の『喜び』と、僕の『悦び』には掛け違いがあるんです。僕はただ・・・校長と悦びを共有したかっただけなんです。校長が、女としての悦びに目覚めて、僕と分かち合って欲しかったんです」

「それはつまり?・・・・・」

次第に具体的になる言葉に、校長は固唾を飲むような表情で身構え、僕に問いかけた。
薄々と僕の気持ちを察したのだろう。
それでも、どこか受け入れたくもない気持ちの現れなのか、両手を祈る様に握りしめていた。

「ええ・・・つまり、校長と愛し合いたかったんです」

―つづくー


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