滅ぼされた村-8
「この女をヘッドの元へ連れて行け!」
「あいさっ!」
「他に女はいねぇか?」
「上にも行ってみましたが、誰もいませんでしたぜ。」
「そうか、じゃあ次行くぞ!」
盗賊たちは泣き叫ぶティアラの母親の両手を縄で拘束し、
肩に担いで家から去って行った。
わずか数分の出来事だった。
ティアラはしばらく嗚咽が漏れないように、
ガタガタと恐怖で震える身体を必死に抑えながら耐え忍んだ。
(お父さんが殺された!お母さんが連れ去れてた!私はどうすればいいの・・・?
怖い、怖い、怖い・・。ラウル助けて!!!)
彼女は助けてくれるはずもない、彼女の想い人に願った。