第1話 面接-2
他にもモデル募集の広告がある中、その広告だけスペースが異様に小さく、しかもページの片隅に申し訳程度にある始末。おまけに携帯で調べてみるとホームページも出していない会社であった。
明らかに怪しいものであったが、保護者許可不要の文字は葵には魅力的に感じられた。そして何より、葵はそれなりに自分の容姿や体型には自信があったのである。
コンビニを出たところで早速電話をかけたところ、応対した女性からこの日の面談の時間と場所を指定されたのだった。
ガチャ
不意にドアが開き、20代後半くらいの女性が入ってきた。眼鏡をかけスラットした体型の美人秘書という言葉が似合うような女性 である。
「お待たせしました、小峰葵さん。本日面接官を務めさせていただきます、柏木と申します。よろしくお願い致します」
そう言うと、柏木は葵の対面にあったイスに座る。二人の間には机があり、そこに1枚のA4サイズくらいの紙を置いた。そこには名前や住所を書く欄がある。どうやら履歴書の代わりのようだ。