プロローグ-1
「いったい、どういう事だ!」
開発部長の鳴海は、自分のデスクに思いっきり拳を叩き付けた。
「プロトタイプはDATA収集が完了しており、その役目は終わったと理解してました」
営業部長の宮本は鳴海の前ですっかり恐縮していた。
「プロトタイプといえどその役目を終えた以上、できるだけ開発費の回収すべきかと」
「君の意見など聞いてない!」
「プロトタイプは事業拡大のため新規分野に参入するため開発したんだ」
「新規分野へは量産型の出荷予定が決まってると伺っています」
「プロトタイプは、さらなる顧客を開拓するためのサンプル体としてまだ必要だ。CEO の判断も同じだ。CEO からの指示を伝える。いかなる代償を払っても回収したまえ」