不安-1
それから三年と四カ月が経過した。
ラウラの、親に構われない寂しさ、父のいない寂しさは、和岐多に拭われて久しい。母に対しては、自分がむしろ保護者であるような気がしていた。その母は、子供を産んだ。ラウラの弟なのだが、父親が和岐多である可能性もラウラは少し疑っていた。母は男性と結婚したから、ラウラを含めた四人で今は住んでいる。男性のことを父とラウラは呼べず、名前で呼んでいたが、仲は良かった。好人物だと思った。母はラウラに相手がいることに勘付いているようだった。
女に変わっていくラウラの体を和岐多はラウラと共に体験してきた。起こることはすべてラウラが共有してくれたし、知識のある和岐多にラウラは学んだ。
しかし二人は不安であった。ラウラの体が女らしくなることで、和岐多は老いていく自分がじきに捨てられることを、ラウラは嫌われて捨てられることを、同時に恐れていた。相手の思いではなくて、自分の恐れに囚われて離れられなかったのである。その分、二人は互いを激しく求めずにいられなかった。何をしても許されるとまで確認したく、行為は度を越えていくようだった。
その日、上になって口に含んでいるラウラの頭を和岐多は手で押さえ、力一杯、喉の奥まで押し込んでみた。ラウラはまず低く唸ると、ほとんど塞がっている口の隙間から、食べたものを噴き出した。それは鼻からも出て、ラウラは息ができなくなった。ラウラは両腕をばたつかせた。
その様子を和岐多は耳で聞きながら、顔の上にある少女の肛門が、苦しさに激しく動くのを眺めた。ラウラが大きく口を開けて少しでも息を吸おうとした時、更に和岐多は押し込んだ。両腿でがちりと頭を挟み込んだ。ん、ん、という悲鳴にならない唸りが続いた。その度に女の穴は深みからきつく締まって、中の白いかすをたくさん搾り出した。
突然、和岐多に激痛が走った。ラウラが噛みついたのだった。我を忘れて噛んでいるから、歯はすぐに食い込んでいった。和岐多は叫び声を挙げた。みしりと音がした。
堪らず和岐多は起き上がり、ラウラの頬を張り飛ばした。ラウラの頭がベッドに跳ね、口は離れた。ラウラはまた吐いた。
和岐多のものは根本が深く裂けて血が止まらなかった。しかし構わず、ラウラの中に入った。ラウラはすぐに温かいものを勢いよく漏らした。
顔中、汁にまみれたラウラが
「一緒に死のうよ。」
と、掠れた声で優しく言った。和岐多は子供のように泣いていた。ラウラもまた泣いた。
互いの不安は形で縛ってしまおうと、二人は結婚することを決めた。
満たされている筈なのに、自分で不安を掻き立てていく。こんなどうしようもなさをラウラはクリスチャンの義父に話してみた。義父は、それが人間の罪だと言い、祈ることを勧めた。
和岐多や結婚のことなど、まだ伝える機会ではないとラウラには思われたが、こんな年齢で必死になるのはいずれ色恋沙汰だろうと義父には気取られたかもしれない。とにかく必死であったから、ラウラは祈りに追い込まれた。