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調教学園物語
【調教 官能小説】

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〜 金曜日・仔馬 〜-3

 並足で教壇の前を何周も回らせてから、2号教官は先輩の『ハミ』に長い紐を繋いだ。 左側、右側に1本ずつで、2本束ねて手に握る。 その上で再び『並足』をさせた。 まっすぐ歩く先輩の 左側を引っ張ると、先輩は顔から先に左へ曲がる。 右側へ引っ張ると逆方向。 そうして『ハミ』の刺激にコントロールされながら、先輩は教室を闊歩した。 他にも爪先で地面を背後に向けて勢いよく蹴る『砂かけ』だとか、腰をかがめて頭をふり、頭上のウィッグを振り回す『いななき』だとか、激しく顎を上下させ、鼻息を荒げて興奮をあらわす『いれこみ』だとか。 2号教官の指示にあわせ、いくつもの動作を実演してくれた。

 一通り示された後は、私たちの番。 どうにか馬のいでたちに身をつつんだ私たちは、出席番号順に一列になった。 ハミに紐をとりつけられたのは先頭たる1番。 後ろ手に括られた姿勢のまま背筋を伸ばし、私たちは1列で進む。 教室をグルグル回りながら、教官の声に合わせて『並足』や『いななき』を挟みつつ、高々と太腿をあげつづける。 教官が1番のハミを通じて列全体の方向を変えると、それにしたがって全員が向きを変化させる。 足の上げ方やテンポがずれると、容赦なく教官の鞭が飛んだ。 私を含め、全員が少なくとも10発は長鞭でお尻を腫らしただろう。

 5限の後半10分は、全員の脚にリストバンドが巻かれた。 鉛板を仕込んだバンドは、私の感覚では片脚につき5キロはあった。 そんなバンドを巻かれては、今までだって懸命にあげて疲れていた脚なのだから、これ以上もちあげられる筈がない。 けれど、教官は今まで通りの動きを要求する。

 私たちは棒のようになった足を、歯を喰いしばって動かした。 でも、どうしても水平に至るあと少しが持ち上がらない。 一層激しく風を斬る鞭に無防備なお尻を晒しながら、歯型が残るくらいに『ハミ』を噛んで歯を喰いしばり、涙を浮かべて私たちは歩き続けた。 いつのまにか全員が、動くたびに『ぶひっ、ぐひっ』という獣じみた吐息が漏れるようになっていた。 私たちは本物の馬の群れで、私はその一員で、みんなしてパドックを進んでいるような、束の間そんな錯覚に襲われていた――。


 ……。


 金曜日の夜。 入浴を済ませてから消灯に至る自由時間に、部屋でB29先輩が教えてくれた。 5限に私たちが演じたのは馬ではなくて『ポニー』なんだそうだ。 カートを引いたり、荷物を引いたりする、いわゆる小型の『駄馬』のこと。 いずれポニーの装いに加えて『2輪カート』や『4輪カート』が取りつけられ、ある時は何も乗せず、またある時は人を乗せて進むという。 進むときも、基本は並足だが、時によって走ることもあるそうです。 なぜわざわざポニーの恰好をして搬送に携わらなければいけないのか、私には正直いってよく分からなかった。 荷物や人を運ぶなら、力が入りやすい体勢があるだろうと思うけれど、それじゃダメらしい。 敢えて窮屈なポニースタイルに自分を当てはめ、そうやって自分の能力を敢えて制限した上で役割を果たすことで、常に自分を規則に当てはめる習慣を培うらしい。

 アナルプラグの仕掛けについても教えてくれた。 やけにすーすーするとは思っていたが、中が空洞になっているのだ。 その上でめいいっぱい拡張するものだから、プラグを装着した上で便が肛門付近にやってくると、落下するのを防ぎようがないらしい。 つまり、プラグを装着してしまえば、自然に便が垂れ流しになる。 歩きながら、或はジッとしながら、もしくはいななくために腰をふった時。 意志とは無関係に便をポロポロこぼしてしまう仕組みになっているということでした。 本物のポニーが排泄に時と場所を選ばないように、ポニーに身をやつした以上、排泄に意志を込めることは許されない。 今回誰も排便しなかったのは、プラグに加えてアナルパールで蓋をしていたことが原因だと思う。 それと、事前に食した『飼料』が大量の繊維質を含んでいたので、みんなが軟便でなかったこともあるだろう、そう先輩は教えてくれた。 

 どちらにしても、私が『恥ずかしい』と思った5限の内容は、まだまだ甘い内容だったらしい。 もっと詳しい内容を先輩に質問したかったけれど、一方的に喋った先輩は、質問するなオーラを全開にさせながら布団に入った。 当然、私もそれ以上話はできなかった。

 いつか本物の『ポニープレイ』を命じられたとき、私はちゃんと再現できるのだろうか? 自信なんてないけれど、それでもやるしかないんだろう。 そして、きっとそれなりにやらされてしまうんだろう。 改めて実感する。 動物の真似事がいくらバカげていようが、どんなに無意味なものだろうが、私たちに拒否権はない。 私たちの存在意義は動物のソレを上回っている筈だ――そんな当たり前のことですら、学園では通用しない。 『私たちには価値がある』……今の私たちには胸をはっていえそうにない言葉です。
 








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