はじめましてマスター-4
「ウルトラスーパーリアルドールです!」
「用途は一緒じゃん」
「あんなビニール風船と一緒にしないでください」
「やっぱ、シリコン製なのか?」
「そんな安物じゃないです。人工脂肪と人工筋肉で構成され人工皮膚で覆っています」
「人工…ねぇ…?それはそうとこの箱、邪魔なんだけど」
「あっ!今、箱から出ます」
彼女は両手をダンボールの縁に掛けさらに左足をかけたとたん、ダンボールはバランスを失い大きく傾きゴンッとビターンと派手な2つの音を立てた。
ゴンッという音は彼女が顔面をフローリングに叩き付けた音。
ビターンはダンボールが倒れた音。
ダンボールが倒れたはずみで弾みで箱の中に充満していた緩衝材が全てこぼれ出た。
「あたっ、たっ、たっ、たっ…痛いの」
緩衝材に埋もれた彼女はぽろぽろと体についたS字型の発泡スチロールを落としながら上半身を起す。