脅迫の虜-1
『そうだそれでいい、おとなしくするんだ』
正常位で捻じ込ませた体勢、欲望に狂った眼で恵利子を凝視する。
その尋常ならざる眼光は、両親から過干渉なまでの愛情に育まれた少女を威圧するに十分であった。
「ひっくぅ ひっくぅ」
肩を揺らし泣きながらも、その鳴き声を押し殺すように脅える表情を浮かべる。
『こんなにいやらしく濡らして、しっかり咥え込んでいやがる。自分の目でよく見るんだ!』
そう言うとセミロングの髪を鷲頭掴みにし、互いの結合部を見せつけるように恵利子の頭部を曳き起こす。
その蛮行から逃避するかのように、大きな瞳は閉ざされ黒髪は左右に大きく揺れる。
『 …… まあ、いい。今に解るようにしてやる』
頭部から指を離すと、数本の髪の毛が抜け落ちる。
下半身は甘美なまでの粘膜との摩擦を求めるも、その欲望を必死に抑え付ける。
まるでポリネシアンセックスのように挿し入れただけで、狂おしい程の抜き挿しの欲求を自制する。
(ここまで来て焦る必要はない。たっぷりと、刻み込んで犯【や】る)
シミひとつ無い白い張りのある肌には、所々うっすらと青白い静脈が浮かび上がる。
それはまるで白磁の上に描かれた、繊細な模様を想わせる程に美しい。
互いにつなぎ合わされた接点から眼を上げて行くと、胸元にある膨らみに心奪われる。
仰向けでありながら見事な半球体を保つそれには、色素の定着など無い薄桃色をした突端がツンと澄ましている。
《はあぁぁむっ》
何の前触れもなく、それを俺は口中に含む。
《ぎゅぅぃっ》
瞬間、呼応するように蹂躙する膣孔が、収束したかのように感じられる。
先程までの粗暴な動きとは一転して、口中の舌先の動きは愛でるように突起周辺に弧を描き続ける。
そして時折不規則なリズムで、上唇と下唇で微かな突起を食むのである。
舌先で弧を巡らせながら、恵利子の表情を盗み見るを繰り返していると、泣き顔の涙の退きに合わせて、舌先に弄ばれる先端部の膨らみと硬度が増しはじめる。
口に含んだ膨らみとは別のもう一方へ指先を伸ばすと、舌先同様の動きを繰り返すように与える。
それは食事に混入させた催淫剤の効果なのか、それとも行為との相乗効果による効能なのか?
数分もせぬうちに大きな反応が見え始める。
愛らしかった突起は淫猥なまでの主張をみせ、舌先で愛でる段階の終わりを知らせる。
俺は顔を上げると、中指と薬指で突起を挟み込み、両膨らみを手中に包み込む動きで揺り動かしはじめる。
けっして揉み拉くような粗野な動きではない、そして愛でるような動きでもいけない曖昧な動き。
再び見下ろした恵利子の顔からは涙は消え、代わりに迷いとも不安とも取れる表情が浮かび始めていた。
つなぎ合わされた下腹部、捻じ込ませた陰茎先端は再び感じ取る。
もしかしたらそれは勘違いで、単なる思い込みかもしれない?
そう思える程に、清廉な少女に似つかわしくない動きを感じ取るのである。
俺はそれを確かめるように、恵利子の両脚の拘束を解く事を試みる。
もちろんそれは大きな危険を伴う行為と言えた。
いくら非力な少女と言えど、脚の力は腕の4倍程度と言われている。
不意を突かれ当たり処の悪い蹴りをいただけば、形勢が変わりかねない危険を孕んでいる。
もっとも俺は物理的に解く枷とは別に、目に見えぬ枷も用意していた。
けして逃れる術のない、脅迫と言う名の呪縛をも周到に準備していたのだ。
『恵利子、君には内緒にしていたが、今日までの二人の行為は録画されているんだ』
俺は覆い被さっていた身体から陰茎を曳き抜き、立ち上がると盗撮していたカメラを引き出す。
「…… !?」
脅えの中にも、不可思議な表情がうかがえた。
どうやら、世間ずれしている程に清廉潔癖に育まれた少女には、言葉だけでは今ひとつピンと来ないようである。
『そうだ、証拠を見せよう』
俺はモニターに、編集した動画を映しはじめる。
それは当初、恵利子に自らの純潔を守らせる術として学習させた、無修正口淫【フェラチオ】動画と酷似する物と言えた。
「いやあぁっっ―――――――― 」
モニターに映し出されていたヒロイン【被害者】から発せられる絶望の嗚咽に、しばし室内は包まれる。
顔を背け、声をあげ泣きじゃくる恵利子。
『泣くのは話を最後まで聞いてからにするんだ』
再び髪を鷲掴みにすると、光りを失った瞳を覗き込むように脅し賺しをはじめる。
狂気に身を任せたかのような言動にあって、用意されたシナリオはぶれることなく進んで行く事になる。