投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

調教学園物語
【調教 官能小説】

調教学園物語の最初へ 調教学園物語 65 調教学園物語 67 調教学園物語の最後へ

〜 木曜日・回想 〜-2

 私の目標は『鞭で打たれながら10回連続で絶頂できるようになること』。 訳が分からない中、先輩から耳元で囁かれた目標を大声で叫んだだけなのに、すっかり既成事実にされてしまった。 自分で決めた(?)目標を達成するためにどうすればいいかというと、先輩の言葉を借りるならば、『鞭でぶたれて感じる身体』になればいい。 だから、これから毎日先輩の気が向いたときに、鞭で叩いてもらうことになった。 ぶたれながら手を使わないマンズリ――オナニーや自慰という単語を使うことは、Cグループ生として不遜なんだとか――に没頭すれば、自然とそうなるんだとか。  叩かれて絶頂するヒトなんて、私からすれば異常の一言。 唯の度し難い変態だ。 けれどもそんな存在になるために、私は必死に腰を振った。 先輩は、やれ『快感を腰で表せ』、『声が足りない』、『尻の振りが甘い』と掛け声をかけながら、お尻中心に指導する。 私は『アン、アン、アン!』『イイですっ、イイですっ!』『もっとぶってください!』と答え、私なりに感じる自分を表現しようとしたが、先輩的には不評だった。 どうにも演技臭く、不恰好らしい。 そりゃあそうだ、と思う。 1から10まで言葉は演技だし、ただただ痛いだけなんだから気持ちがいい訳ない。

 都合50発ほどお尻を撫でただろうか、食事の時刻まで先輩は鞭を振るい続けた。 ひとしきり鞭を振るわれて。 私は先輩に話しかけられた。

『昨日(火曜日)はボロ泣きしたくせに、一日で見違えたよ。 声も色気も全然ダメだけど、最後まで泣かずにいられただけでも上出来だよね。 あたしってば手加減しすぎたのかなあ。 そんなつもりはないんだけど、もしかしてあんまり痛くなかった?』

 私は無言で首肯した。 正直、私には痛くなかった。 喘ぐフリをすることに一生懸命だったし、何よりそれまで体験した痛みが強烈過ぎた。 先輩の鞭は『パァン!』と小気味いい音をたてるけれど、ぶたれる場所はお尻に限られていたし、一定のパターンとリズムがあるし、重複しないよう気を使ってぶってくれているのか、痛む場所を連続して鞭打ちはしない。

『フフッ、はっきりいってくれるじゃない。 生意気な子って損するからね、あんまり調子に乗らない方がいいと思うけど、正直な子って嫌いじゃないよ』

 薄ら笑いを浮かべながら、そういうと先輩は鞭を片付けた。 どことなく優しい口調だった。

 一日中叩かれ続けた副産物だろうか、何となく指導する側の意図が分かるようになったかもしれない。 B33番先輩の鞭捌きは、風紀委員の先輩方よりずっと上手だと思う。 痛めつけられるというよりは、自分のお尻が『打楽器』にされたような感覚だった。 一度か二度は、叩かれた衝撃に合わせて芯から喘いでしまったくらいだ。 といっても寮初日と二日目は号泣しており、この違いは先輩の鞭というよりも、私の内面の変化だと思う。 どう変わったのかと聞かれれば、分かりませんとしか言えないけれど。

 それから2人揃って食堂にゆき、犬のように食事を済ませ、人形のように入浴した。 こっそりシャワーに紛らせて排尿したのだが、誰にもバレはしなかった。 そのまま先輩と部屋に戻った。 洗面と就寝準備を済ませると、時計は10時を回っていた。 

 もう一度『日課』の指導があるかとビクビクしていたけれど、先輩は私がベッドに横たわることを許してくれた。 正直疲労はピークにきていて、足許も覚束なかったから、何度も御礼をいって言葉に甘えた。 椅子に座る先輩としばらくお喋りして――先輩が去年は風紀委員だったこと、最初の1週間が一番大変なこと、金曜日まで担任が仕切り、土曜には『身体検査』と『部活紹介』があるだろうこと、A・Bグループ生は次の月曜にある『始業式』から登校すること――そして、泥のように疲れていた私はいつの間にか眠りに落ちていた。 
 
 寮4日目の朝ともなれば、朝のリズムにも戸惑いはない。 早めにぐっすり眠れたこともあり、前日あれだけ酷使した身体なのに、驚くほどスッキリと目覚めた。 中庭に集合し、規定の姿勢で排便し、テキパキ食事を済ませて寮をでて、そんな風に過ごして今に至る。

「……私だって、きっと、ちゃんと、しっかりできる。 私だってしてみせる……」

 ポソポソポソと、独り言。 
 もしも今日が『痛み』を伴う講義であれば、他のクラスメイトより立派に教官に応えてみせる。
 よしんば私が苦手な分野であったとしても、出来る限り努力してみせる。 激しい痛みを受け入れたことで先輩の『日課』が楽になったように、きっとどこかで役に立つから――そんな風に考えながら、私は下足棟に到着した。 靴を履き替え、教室に入る。 ガランとした椅子だけが、朝の清々しさの中に整然と並んでいた。 どうやら一番乗りらしい。 

「が、がんばろう……駄目だからってどうしようもないんだし。 私にできる限り……どんなことでもやってみなくちゃ……うん」
 
 誰も見ていないのだから、1人で自己完結する私に失笑する人もいない。
 時刻は8時。 私は自分の席に座って膝を広げる。 教壇をみつめ、ゆっくり腫れぼったい唇を開く。 教官に指導された『座る姿勢』。 わざわざ緊張感を削いでつくったはしたない面もちだ。
 
 今日は木曜日。 学園生活4日目。
 朝のHRで自慰をして、22番さんの号令で1時間目が始まって、光陰矢の如く1日が過ぎてゆくんだろう。 放課後も含めるなら、過酷すぎる1日になるのは分かりきっている。 それでも私の心には、絶望の中に一抹の温もりが宿っていた。


調教学園物語の最初へ 調教学園物語 65 調教学園物語 67 調教学園物語の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前