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調教学園物語
【調教 官能小説】

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〜 木曜日・回想 〜-1

〜 木曜日 ・ 回想 〜


 天気は曇り。 柔らかい太陽の光が差す中、登校服を纏った私達は、定時に教室に赴くべく小走りで校庭を歩いていた。 みんなの顔色は曇っていて、澱んでいて、生気に乏しい。 楽しそうな生徒は一人もいない。 そんな中にあって、『33番』という名前をつけられた私は、自分が笑顔なことを自覚していた。

 自分自身が一番驚いている。
 身体が軽い。 痛みがない。 クラスメイトが辛そうに歩く様子を見るにつけ、自分とのギャップの大きさを実感する。 もしかして自分は特別なんだろうか? 何か素質があるんだろうか?

「痣も……これくらい薄いんなら、ないのと全然変わんないよね……?」

 縛られた手首や胸元には、かすかに縄の痕が残っている。 浴室の鏡で確認したお尻には、籐笞(とうむち)、所謂『ケイン』がつくったミミズ腫が残っている。 けれど傷跡を示すそういった赤味は、刻一刻と薄まっていた。 昨夜は一生残るかもしれないと覚悟するほど痛々しかった自分の身体が、既に健康な外観を取り戻しつつあることが嬉しくて、どうしても笑顔になってしまう。 

 私は登校の途中にある。 大嫌いな、みじめな、情けない身分に貶められる教室が待っているんだから、笑顔なんて本来であればそぐわない。 それでも自分の身体には秘められた長所がある――打擲(ちょうちゃく)に耐えることができた――と考えるだけで、不思議なくらいウキウキする。

 考えてみれば、最初に鞭で打たれたときから、みんなとは何か違っていた。 誰もが歯を喰いしばって只管(ひたすら)痛みに耐えている一方、私は傷の有無ばかり気にしていた。 痛みに強いというべきか、神経が鈍いというべきか、其処の所はよくわからない。 確かなことは、赤い充血が残ったら嫌だなあ、血が出たら辛いなあ、瘡蓋(かさぶた)になったら治るまでどのくらいかかるんだろう、そんなことばかり考えていた。 今この瞬間に苛まれる苦しみより、未来を心配する余裕があった。

 だからだろうか。 鞭で打たれた場所が『血を拭くこともなく』『赤く染まるだけ』なのが分かると、痛みなんてどってことないと思えてしまう。
 パドルだってそうだ。 大きな音がするだけだ。 ちょっと肌が痺れるだけだ。
 籐笞(ケイン)でやられた時は少しだけ血が滲んだけれど、これくらいなら大丈夫。
 お腹をぶたれた時も、拳がお腹に触れてから勢いをつけてくれた。 派手に吹っ飛びはしたものの、怪我はないし、キリキリ痛むようなこともない。 縄も、鞭も、最初はビックリしたけれど、手際よく扱ってくれたおかげで傷跡というほどのものはない。
 電流は言わずもがな、である。 終わってしまえば肌の艶が増した気さえする。
 針にしたって、私たちに『痛みだけを与える』よう、すごく工夫がしてあった。
 水に潜らされるのは……アレだけは本当に死ぬほど辛かった。 けれど、過ぎてしまえば何事もなくこうして歩いている。 酸欠で意識を失ったというのに、後遺症でダウンした生徒は1人もいない。 結局どうってことはなかった。 嵐のような激痛が去って、私達の身体は傷口は、半ば以上が塞がっているんじゃなかろうか?

 ふと思う。
 みんなは疲労困憊して、教官の指導が情け容赦ないものだと思っている。 けれど私は違っていた。 一連の教官が下した指導に対し、ある種のプラスの感情がある。

 教官は、教官なりの方法で、私たちに身体を大切にしてくれているんじゃないだろうか? 本当に何も考えず痛みを与えたのなら、私たちはもっとボロボロになっている。 1晩休んだだけで無事に登校できるまで回復させ、なおかつあれだけの激痛を与える芸当は、相当の気配りがなければ無理だと思う。 教官は私たちとは違ったベクトルで、懸命に私たちのことを考えている――この考えに至った時、どんな方向性であったとしても私たちのことを考えてくれているなら、教官のことを信用してみようという気持ちが湧いた。
 誤解を恐れずいえば、もともと『信用したかった教官』が『信用するに足る教官』になったという方が、より心情に沿っている。

「……私だって、ちゃんとできるもの。 叩かれたくらいじゃ泣かないんだから……」

 歩きながら、昨日の放課後を反芻する。

 私はグランド掃除を担当した。 膣でトンボを引く操り人形として、淡々とグランドを整備した。 初日は『なんて過酷な掃除だろう』と絶句したのに、いざ実行する段になると、全然どうってことはない。 鞭もないし吐気もしない。 ただ不自然ながに股気味の体勢で、膣を締めつつ、乳首に走る電流に従って歩くだけだ。 電流にしたところで、5限に散々感じた強烈なヤツに比べれば、痛みなんて無に等しい。 規定の時間で掃除を終わらせ、掃除仲間と足早に寮へ戻った。

 部屋に戻ると、B33番先輩が柔軟体操をしているところだった。 先輩が体操に区切りをつけて私の『日課』が始まるまで、部屋の隅に正座をして待つ。 先輩は床にお尻をつけたまま両足を180度開く。 さらに上半身をペッタリ床につける。 そのまま両手を後ろに回して組むと、床と垂直になるまで持ち上げる。 先輩の動きの1つ1つがしなやかで、溜息がでるほど綺麗だと思った。

 柔軟をおえた先輩。 棚から黒鞭を手に取ると、相変わらずの薄笑いで私を見下ろす。 私は両手を揃え、その場に額をつける。 

 『あの、ふ、2日目の日課にあたり、その、先輩のご、ご、ご指導をお願いしますっ』

 平身低頭、いわゆる土下座でお願いした。 ちなみに寮での『日課』とは、初日に食堂で宣言した『達成目標』実現に向け、日々いそしむ活動を総称する。 たったこれだけを言うのに何度も噛んでしまった私に呆れつつ、先輩は手にした鞭を構えた。



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